【そらる】だったら、覚悟しとけ。 〜リクエスト短編集〜

＊もしものお話３ ページ34

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Aside






_____会いたいよ。






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その小さな声は、そらるに届く前にインターホンによって掻き消された。






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『…ｸﾞｽ、、


っごめんそらる、誰か来たみたいだから一回切るね。』






" あ。俺このあと用事あるから電話出れない。"






『…え

…そっか、忙しいもんね。今日はありがとう。』






" うん。 ほら、早く玄関行って来な "






ドアの先の人に迷惑をかけてでも、まだ切りたくないという思いは強くて少し躊躇う。





…そらるも、用事があるから。





自分に言い聞かせて、玄関に向かう。






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『…じゃあ、また電話してね。

ばいばい。』





" ん 。"






そのたった一文字で、そらるとの会話は終わった。






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冷たいなあ。 なんて呟いて、玄関前に人がいることを思い出し、口を抑えた。






袖で目元を擦り、深呼吸。







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すぅー、はぁー、、







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ガチャ









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『お待たせしてすみません。
ちょっと立て込んで…て、、、』






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「誰が冷たいって？」





スマホを軽く上げ、首をかしげてそう言った彼は、さっきまで会話をしていた相手で…





数秒前に落ち着けたはずの心臓はうるさいくらいに音を立て、擦った目元からは大粒の涙が溢れた。







『 そらるっ…！！』







「久しぶり。A。」






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「 迎えに来た。」





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彼のその言葉は、新しい毎日の始まりの合図だった。









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まだいくつか短編残ってますが、個人的にこのお話が1番好きです


何度も自分の作品を読み直してしまうのですが結構な自信作です！



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