３０話 ページ1
轟くんの家の前に着くと、轟くんが私の方を向いて忠告した。
轟「親はいねえけど、姉さんがいる。姉さんには見つからないようにしてくれ」
「え？う、うん。なんで？」
轟「色々と…。とにかく、俺が姉さんの気を引くから、入ってすぐ廊下のつきあたりにある階段を登って２階に行っててくれ」
私は頷いて、家に入った轟くんを追った。
轟くんは「ただいま」と呟くと、廊下を指さす。そのまま轟くんは指さした方とは逆の廊下を歩いて行った。
私は指さした方の廊下をすばやく進み、階段を上がった。
階段を上がった先にもまた廊下。
広いなこの家…
そういえば２階に行っててとしか言われてないや…
部屋入ってたほうがいいのかな。
そう思って適当に部屋に入ったら、轟くんがいつも使ってるリュックが置いてあった。
轟くんの部屋かな？
和式の畳部屋にはイスと机しか置いてない。机の横には教科書やテキストらしきものがあるだけで、The 勉強部屋ってかんじだ。
生活感なさすぎ…
部屋をキョロキョロしていたら、机の箱が目に入った。
箱にはかわいらしい幼い字で、「たからもの」とかいてある。
気になって箱を開けたら、中には1通の手紙。
これが「たからもの」？
手紙を手にとり裏を見ると、「しょーちゃんへ」と幼い字で書かれていた。
これって…
まさかと思い、手紙を開けて中の紙を読んだ。
うわぁぁぁぁぁぁー！！！！
心の中で叫び声を上げる。
な、な、なにこれ！なんでこんな小っ恥ずかしい手紙いまだに持ってんの！？
その時襖が開いて、轟くんが入ってきた。
轟「俺の部屋わかったんだな」
「轟くん、捨てていいですか」
私は轟くんに手紙を見せる。
轟「それ、立花がくれたもんだぞ」
「いやなんでまだ持ってんの！！！！恥ずかしいから捨ててよ！！！」
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作者名：カッパ | 作成日時：2017年10月27日 23時
