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ポートマフィアの赤い絨毯の上を歩き、首領のところに行く。







毎日毎日それの繰り返し。







終わりなど見えるわけもなく。








ある日私はポートマフィアの屋上から飛び降りた。








それ以来、記憶がない。









首領曰くただの記憶喪失、だそうだ。









誰か大切な人が居た気がする。








何処に行ってしまったのだろう。









記憶がないから確認することもできない。









私はぼんやりと数ヶ月を過ごした。







それからは任務やら、襲撃やらで忙しかった。








やがて4年の歳月がたった。








その時私はかつての友人のことを思い出した。








「…太宰」







そう、丁度目の前にいる人物だ。







何故忘れていた?







全てあの日に置いてきてしまったのか。






なら、もう一度かつてのように何かをすればいいのではないか。







「ねぇ 太宰」



「私は昔何をしていた?」



私は問いを投げた。





「4年前の君はみんなにピアノを弾いていた」




「君は趣味程度だと言っていたよ」




太宰はそういった。





「…そうか」



私は礼を言ってその場を立ち去った。




「君を必ず取り戻す」



太宰がそういったのが私に聞こえることはなかった。

2(太宰side)→



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作者名:零華 普 | 作成日時:2022年9月12日 9時

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