醜い少女のアビューズ ページ26
ジェイドとフロイドに頼み、私の噂をクラスメイト、そして他のクラスにまで知れ渡るように仕向ける。
そこらへんの能天気な人魚と違い、私はずっと見てきた。
ずっと、目を凝らして本質を捉えようと。
だから私は貴方たちの望みも、弱みも全て知っている。
そしてこのクラスのほとんどの方が、"例のあの子"に関する悩みを抱えることも、ね。
アグネスさんが倒れた翌日、彼女は学校には来なかった。
そして先生はやっぱり私を責めた。
何にも知らないクセに、まあよく回る口ですこと。
便宜上オブラートに包まれている一方的な糾弾を、表面上は真摯に受け止め、その実右から左へと流しだす。
もっと中身のある言葉なら、私も少しは耳を傾けるかもしれませんがね。
「はぁ……あのクソ教師絞めたいんだけど。大勢の前でグチグチグチグチ……ウザっ」
「我慢ですよフロイド。僕たちは僕たちでできることをしましょう。」
ホームルーム、こってり怒られていた私の傍に双子が寄ってきて、フロイドは先生の愚痴をこぼし、ジェイドは含みのある笑みを湛えていた。
物騒なひとたちですね、ふふ、頼もしい限りですとも。
「"まだ"手を出すことは許しません。あの方には自分のしたことが後にどういう結果を招くのか、見届けてもらうという大事な役目があるんですから。」
上手に待て、できますね？
そういう意味を込めて目を合わせると、揃った動きで頷いた。
それにしても……気にしていないと自己暗示してはいますが、一方的な罵詈雑言はやはり慣れませんね。
こんなことではダメだって、わかっているのに。
もっとマシな私にならないと。
私の方が、私の方がもっと有能なんだから、無能な人魚の言葉になんて……。
鋭い痛みが、私の足に走った。
じくじくと心臓の動きに合わせ、痛覚が正常に作動する。
ああでも、落ち着かない。
どのくらい痛みを感じれば、頭を冷やせるんでしょうか……！？
「A……！？」
「待ちなさい、A！」
「は、離して！」
後ろからフロイドに羽交い絞めされ、ジェイドに足を押さえつけられる。
「自傷するなんていけません。それを噛み千切っては二度と生えてこないんですよ！？」
「私がそんな馬鹿なマネするわけないでしょう！」
「自分の足を噛んでる時点で正常な判断できてねーから！」
目元がじんわりと熱くなり、視界に霞がかかる。
ああ、また泣き虫な墨吐きお嬢に逆戻り……
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フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
