醜い少女のテディウム ページ17
甘ったるい声が、耳を不快感で撫でつけた。
「ジェイドく〜ん！」
ふわふわと水の中で髪の毛が踊り、赤色の珊瑚の耳飾りが揺れる。
ヒトデを模したあの髪飾りは昨日はつけていなかった……ということは、誰かに買ってもらった、もしくは"もらいうけた"のか。
九割九分後者ですかね。
ニコニコ顔で無垢にふるまう能天気な人魚もとい、アグネスさんはもらったばかりの髪飾りを自慢げにジェイドに見せに行く。
「見て、この髪飾り！お友達からもらったんだぁ〜。アグの方が似合うからって！ど？似合う？似合うでしょ」
キャラキャラと笑いながらダンスを踊っているようにくるくると回る彼女は、やっぱり可愛らしい。
ちょっと抜けてるようなしゃべり方、はつらつな笑顔、ふわふわと揺れ動く長い髪、美しく大きな尾びれと背びれは、俗にいう"美人"の条件にぴったりと当てはまる。
うん、嫌いな子ですね。
ジェイドはというと、心の読めない笑顔でアグネスさんの話を聞いているんだかいないんだか……。
いや、あれは十割聞いていませんね。
「気になる？ジェイドのこと」
じっと観察していたせいか、フロイドが隣にいたことに気づかなかった。
「まあ……人並みには？」
「オレは超気になるなぁ……。Aちゃんから好きにしていいよぉって言われたから、ジェイドがこれから何すんのかオレでもわかんね」
そう言う割には、なんとなく予想がついてそうな顔のフロイド。
「安心していーよ？ジェイドはAにものすごぉく夢中だから。他の人魚なんて眼中にねぇし……勿論オレもね。」
「……せめて私の敬称くらい統一させてください。」
「はぁい」
巻きつくように首元に腕を回してきたので、例にもれず顔を押しのけておいた。
それでもフロイドの機嫌はそこなわれることはなく、上機嫌のままふらふらとどこかへ行ってしまった。
フロイドの背中を視線だけで見送り、再びジェイドらのところへ目を向けると、ぱちり、目が合った。
……ジェイドと。
なにか気になることもあったんだろうか……？
見つめてくるだけで特に何も言ってこないし、私自身特段気になることもないためすぐに目を逸らした。
「ねぇ、ねぇってばジェイドくん！どこ見てるのぉ！」
「……別に、どこへだっていいでしょう」
「ちょっと！？まだ話途中……待って、ジェイドくん！！」
「はあ……つまらないなぁ……」
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フェイタン - 更新頑張ってください！ (2021年2月22日 11時) (
レス) id: 2a27e87c15 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 待ってました！！この作品ほんと好きなので超うれしいです！これからも頑張ってください！！ (2021年2月14日 21時) (レス) id: df3d955625 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - 久しぶりの更新待ってました！最高です！更新頑張ってください (2021年2月14日 19時) (レス) id: 1029d3705d (このIDを非表示/違反報告)
イデアル(プロフ) - コメント失礼します！読んでいてとっても面白かったです！これからも応援しています！最新待ってます！！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 8f079ea4bd (このIDを非表示/違反報告)
塩苺(プロフ) - 簡潔に一言だけ…めっちゃくちゃ好きです｡更新頑張ってください！！ (2020年11月20日 1時) (レス) id: 7b3710605c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリア | 作成日時：2020年8月23日 3時
