だって私は (ページ7)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:1,684 hit

section 1-5 ページ7

｢ねーねー、Aは何が好き？｣

てふてふと軽快な足音を並べながら、それはそれは大きなデパートの中を歩いていた。
Aは来た事のないその場所をキョロキョロしながら歩く。並べば双子のような二人は、すれ違う度振り向かれている事を知らずに。

｢………うさぎ｣

不安な表情のまま、Aはそう答える。
MIはその表情を見るとAの手を握り、｢じゃあそういうの売ってるところに行こうね！｣と言った。

★

『デートに行った！！？』

Aが居ないと探していたリーガー達は、ルリーから事情を聞くと大きな声を出した。

｢MIと二人でかよ？！｣

ウインディが焦りを隠せない様にそう言う。と、ルリーは当たり前かのように｢そうだけど｣と一言。

｢…………追いかけます｣

マグナムエースが真剣(笑)な顔で言う。
リーガー達は｢その手があったか！｣という様な顔をしながら、すたすたと歩き出すマグナムの後ろについて行ってしまった。

｢なによ、Aちゃんの事お気に入りになっちゃって！｣

ルリーは面白可笑しそうに笑いながら、行ってらっしゃいと手を振るのであった。

★

同時刻
デパート内

｢……取り敢えず買うもんは買い揃えたな｣

ガシャガシャと鳴り響く足音2つ、大きな紙袋を両手に抱えたアームとフットは、買い足りないものが無いものかとマスクから貰ったメモを確認していた。
G三兄弟は元ダークの花形。
美顔男子とはこの事、今もまだ人気なのには間違いはなく、すれ違う人間は必ず｢カッコイイ｣という一言を放っていたのを、アームはあまりいい様には思っていなかった。

｢そんじゃ、帰るぜ。｣

若干苛立ちを覚えながら歩き出すアームを見ながら、フットは黙って後ろをついていく。が……

｢……？おい、兄貴。あれって……｣

と、階段を跨いで奥にいるAともう一人を見つけ、指を指す。
それは、何やら男と揉め事のような事をしているようで、距離があるため声は聞こえないが、嫌がる素振りを見せていた。

｢………フット。｣

ボソリと呟かれたその一言。だが、それがなんの意味を込めているのか瞬時に悟ったフットは｢応｣と答えると、彼女らの近くに寄って____

Continue ☞