日常記録3【爆豪勝己】 (ページ42)

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いつの間にか会計が終わっていて、二次会に行こう、と先導を歩く声を聞いて残った理性をなんとか呼び起こす

貴「私、帰ります」

爆「俺も」

斜め後ろで聞こえた爆豪の声を無視して、みんなの引き止める声をかわしながら足早に帰路に着く

少し後ろを歩く足音が聞こえて、距離を離すように歩く速度を速めるけど、同じようにその足音も速まる

貴「ついて来ないでくれます？」

バッと振り返って他人行儀に言ったその言葉はお酒せいか少し声が大きかった

爆「家こっち」

そんな私に表情一つ変えず足を止める爆豪
よりによって帰り道が一緒なんて最悪だ

ギロっと睨んで再び歩き出し、少し先にある公園に駆け込んだ

貴「ついて来ないでって言った」

子供用のブランコに腰掛けてギコギコと夜風に揺られているとペットボトルの水を持った爆豪が私の前に立つ

爆「いーから飲め」

貴「いらない」

爆「自分で飲まねぇなら無理やり飲ます」

貴「どーやって」

睨むように言い返せば爆豪は見せつけるように持っていた水を自ら飲み、飲み込む間もなく私に近づいてくるから慌てて体を引く

貴「わ、わかった、飲むから、こないで」

そう言うと、ゴクッと喉を鳴らし喉仏が上下した

受けっとた水を渋々飲んで、もう一度ブランコを漕ぐ

爆「なんでこんななるまで飲んだ」

貴「は？、それは爆豪がっ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

………別に？そんな酔ってないし、まだ飲めるし」

ハァ、と大きなため息をついて爆豪は私を見下ろす

爆「何怒ってんだよ」

貴「怒ってないですけど」

爆「俺に隠せると思ってンのか」

なにその、俺はお前のことなんでも知ってますよみたいな言い方。

あの日以来ずっと私のこと放ったらかしだったくせに。

貴「あんなこと言っておいてなにノコノコ合コン行くとか信じらんない！」

荒らげた声は深夜の公園に響いた

爆「は？ンだよあんなことって

つーか、それはお前もだろ」

私はただの数合わせだし！と最後の威勢を使い切るとそれ以上ムキなる気力も湧かなかった

貴「……そん時になったら俺から言うって、あの言葉忘れたんだ」

俯き際にポツリと呟いた私の言葉は夏の夜風に消されてしまいそうなくらい弱々しい

爆「……覚えてたンか」

貴「忘れるわけないじゃん……バカみたいにずっと待ってた私の身にもなってよ」

そう言うと、爆豪はさっきよりも深く大きなため息ついてしゃがみ込んだ