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朝起きたら何故か私は知らないベッドの上にいた
覚醒しきらない頭で状況確認していると、いつ間にか寝巻きに着替えていることに気づく
ドアの向こうでガチャガチャとする音が聞こえて一気に目が覚めた
慌てて飛び起きてリビングに向かえばスーツ姿の爆豪が出かける準備をしていた
爆「遅せぇ。飯あるから食っとけ
俺はもう出る」
そうだ、爆豪は対象と同じ職場へ潜入することになっている
貴「お、起こしてくれればよかったじゃん！ていうか！」
私の声を無視してズカズカと玄関へ向かってしまう爆豪の背中を追う
貴「裸、見た……？」
爆「テメェなんかで興奮すっかよ」
呆れ顔でそう言って赤い瞳をこちらに向けるからムカつくし恥ずかしい
ていうか否定してこないし見てんじゃん
玄関を開けて出ていく爆豪が、「アホなこと考えてねぇで女の方見張っとけ」そう言った直後に隣のドアが開く
玄関から出てきた対象と目があって血の気が引く
やばい、今の会話聞かれたかもしれない
おはようございます、と言われた挨拶に辛うじて返すも気が気じゃなかった
そんな私とは裏腹に、見上げた爆豪は平然としていて
爆「行ってくる」
そう私の目を見て言うと、顔の高さまで腰をかがめて頬にキスをした
あまりの驚きに呆然としていたら「仲がよろしいんですね」と対象に声をかけられるざまだ
「新婚なんで」と返す爆豪に、あはは、と作り笑顔をして2人がエレベーターに向かうのを見て急いで玄関の戸を閉めた
力が抜けて座り込みたいのを我慢し、爆豪の用意した朝食をとりながら監視を続けるけど
行きがけのキスのことが頭から離れないし
爆豪の中で新婚夫婦は行ってきますのチューをするとでも思っているのだろうか
普段だったらあの爆豪が、とバカにしてやるところだがそれを実際に受けてしまったのだから正気じゃない
これがあと6日も続くと思うと、耐えれるか心配だ
でも何だかんだご飯は用意してくれたし、ベッドも私に譲ってくれた
今朝のソレも、爆豪の冷静な対応がなかったら怪しまれていたかもしれないと思うと、頭が上がらない
女の方の対象は変な動きを見せず、夕飯を作りながら爆豪の帰りを待った
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作者名：桜羽 | 作成日時：2022年6月4日 21時
