日常記録3【爆豪勝己】 (ページ22)

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爆「ドキドキしてるンか」

貴「し、してるよ、顔だって熱いし」

至近距離で交差する視線に耐えかねて視線を逸らすと、握っていた手が頬にそっと触れた

驚いてもう一度視線を戻せば、「あちぃな」と薄ら笑いをする爆豪くんに心臓が跳ねる

爆豪くん、意外と距離感近いのかな
いつもこうやって女の子のこと触ってるのかな

お酒も入ってるし、こんな状況でそんな顔されたら落ちない子なんてきっといない

心臓が煩い、身体が熱くてたまらないけどお酒の入ったグラスを持っていた爆豪くんの手はひんやりと心地よかった

貴「爆豪くん、いつもそうなの？」

爆「あ？」

貴「こんなことされたら勘違いしちゃうよ、みんな。

仮にも私、爆豪くんのこと好きだったし」

思わず口を滑らした言葉に、言ってから気づいて「あ」と爆豪くんの方を見ると、頬杖をしてこちらを見る顔は少し口角を上げる

頬に触れていた手がゆっくりと髪を耳にかけ、そのまま髪の間に指を通すように後頭部へ回った手が爆豪くんの方へ引き寄せて、視界が彼でいっぱいになる

爆豪くんとの距離がゼロ距離になると、唇に一瞬柔らかい感触がする

貴「へ……」

離れた唇から零れた声はなんとも気が抜けていた

爆「だった、かよ」

追いつかない思考じゃその言葉の真意は分からなくて疑問符を浮かべていると

爆「俺はお前のこと、今でも好き」

お酒のせいだろうか
爆豪くんがこんな甘いセリフを言うなんて

しかも、それが私に向けられた、言葉、？

貴「わたしっ、」

動悸のせいで声が震えてる
酔ったせいで視界が滲む

続きを言おうとした私の唇にもう一度爆豪くんの唇が重なった

啄むように角度を変えて、熱い吐息が漏れる

お店にお客さんが私たちだけでよかった
人前だというのにきっと私は蕩けきってしまってる

爆「そーやって俺んこと好きンなれ」

物言いは昔と変わらないのに、私の顔を見て妖艶に笑う爆豪くんにあの時の想いがぶり返すのは簡単だった