日常記録3【爆豪勝己】 (ページ16)

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どうしたのか、と顔を見上げれば
突き刺さるような眼をして私を見る爆豪と視線が絡み

そのまま噛み付くようにキスされた

息をする間もなく何度も角度を変え、苦しくなって身体を離そうとしても、それを上回る力で引き寄せられる

その圧力で壁に追い込まれ、爆豪は片腕を私の頭上の壁に押し付けて私を閉じ込めた

逃さないように空いた手で私の後頭部を抑える

酸欠になって胸板をトントンと叩くと漸く離れた唇は銀色の糸をひいた

貴｢ここ、外なんだけど｣

爆｢うぜぇ｣

貴｢爆豪が怒ることじゃないよ

もともといていなかったような父親だし｣

爆豪は全部知っている
当時、自分を責めることしかできなかった私を支えてくれたのも彼だ

爆｢クソ敵じゃねぇ

お前に怒ってる｣

拳一個分もない距離で爆豪は私に強い視線を落とす

貴｢ごめん｣

なんで怒ってるかわからずに謝ると、それがバレてしまったのか怒りを含んだ荒々しいキスをもう一度した

爆｢ちっとは感情出せ

なんもなかったような顔すんな｣

貴｢大丈夫だよ、私｣

爆｢お前のそういうとこがムカつくっつっとんだ

ちったぁ俺のこと頼れや｣

貴｢爆豪にはいつも助けてもらってる、ありがとう｣

そう言うと彼の顔は歪んで、今度は優しく抱きしめられた

爆｢だったら涙のひとつでも見せろや｣

そう言った爆豪の声は弱々しくて、胸が痛い
宙に浮いていた両腕を彼の背中に回し、鍛え上げられた胸板に顔を埋める

貴｢じゃあ今日は夜まで一緒にいて｣

爆｢一人で帰すわけねぇだろ｣

爆豪は、私の欲しい言葉を全部わかってる