波乱の予感 ページ42
貴女side
「あ、A」
ドアを開ければ、朔間くんがはらはらと手を振ってくる。
昨日パーティから帰ってきて、そのまま爆睡してしまったのだ。といっても興奮や不安で寝付くのは大分遅くなってしまったけれど。
「おはよー」
「おはようございます。朔間くん」
綺麗な顔がふにゃりと笑った。
寝起きが今日は良いみたいで、無防備なその笑顔にどきりとする。思ったよりものめり込みそうな私は、そっとスカートの裾を握る。
朔間さまは…?と訊けば、彼は微かに肩を竦めた。
「父さんと話してる。なんか大事な話しみたいで、俺は立ち入り禁止されてるんだよねぇ」
「そうなんですか……」
朔間くんにも話せないようなこと。なぜだか胸がざわつく。
ふと慌ただしさに気づく。ここの朝はもっと穏やかで、こんなにバタバタ走り回る音や人の声が聞こえるのは初めてだ。
「Aっ!」
「雪乃さん…?」
指定のスカートを揺らして走ってきた彼女の顔を覗き込んでギョッとした。
ただでさえ雪のように白い肌が、真っ青とでもいうように顔色が悪い。
「どうしたんですか?」
「零さまと旦那様が大げんかなさって……」
え、と朔間くんと私の声が重なった。本題はそこじゃないのよ、と雪乃さんは涙目で私を見つめてくる。
「旦那様、すごい形相でAを呼んで来いって…」
「……私、ですか?」
雪乃さんが頷きかけたその時、私の名を呼ぶ力強い声が。旦那様、と雪乃さんは唇を震わせる。
「ちょうどいいところにいた。A、お前をこれから
朱桜家に引き渡す」
「………え…?」
唐突に訪れたのは、平穏の崩れる音だった。
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蝶遊(プロフ) - 私も推しが似てて嬉しいです〜! か、活躍…できる限り頑張りますっ!!笑 (2018年9月2日 7時) (レス) id: 231773e0eb (このIDを非表示/違反報告)
▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中(プロフ) - 蝶遊さん» 来てしまいました~笑 推しが似てて嬉しいです..凛月くん人気!!!!!!!!! 今後の作者様の活躍を期待していますっ (2018年9月1日 19時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
蝶遊(プロフ) - ▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中さん» わわ、こっちにも来てくださったんですね! なんか推しが似てますね…笑 コメントありがとうございます!! (2018年9月1日 19時) (レス) id: 231773e0eb (このIDを非表示/違反報告)
▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中(プロフ) - うはぁぁぁ!!!!!!!!!歌い手小説からやって来ました(*''*) 推し…同じです!凛月くん~~好きや~~!!笑 (2018年9月1日 18時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
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