朱い桜の ページ29
貴女side
「Aちゃんっ」
呼びに来たよ〜、とにこやかに大きく手を振るあんずちゃん。
俺はついでな訳?と朔間くんが私の肩元から顔を出した。ふっと首元にかかった吐息が、ダンスの時のことを彷彿とさせて、反射的に距離を取ってしまう。
「A…?」
「あっ、すみません」
どうかした?という問いに、曖昧に笑って いえ と答えて、慌ててあんずちゃんに駆け寄る。
離れてしまった理由は、私にも、わからなかった。
----
「えっと、ここがレッスン室」
今はまだ覚えられなくても平気だからね、と私の顔を覗き込むあんずちゃん。
ありがとうございます、と答える時にも朔間くんの視線が感じられて落ち着かない。というかさっきから朔間くんがむすっとした顔をしているから、空気は微妙で。
「おっ?あんず、今日お前がレッスンだったのか〜?」
明るい声とともに、バタバタという大きな足音。それから怒鳴り声。
アイドルってキャラが濃い。
「今日はAちゃんの初レッスンなんですよ」
「A…って、誰だ?」
明るい色の髪を後ろに束ねた男子生徒と、綺麗な顔立ちの銀髪の人。それから同じクラスのお姉ちゃん。
「朔間Aです。昨日からプロデュース科に入りました」
「んで、俺の妹。手出さないでよね、王さま?」
まだ不機嫌さの残る声が付け加えてくれる。王さまと呼ばれたその人は、へーっと興味深げに私を見つめる。
「くまくん、妹いたんだねぇ」
「じゃあレイとも兄妹なんだな?ふーん、面白い気に入った!俺は月永レオ!よろしくな!」
よろしくなーっとブンブン手を振られる。とにかくキャラは濃いけどいい人みたいで良かった。そうホッとした時だった。
「だから、軽々しく触れないで」
月永先輩にとられていた手を、朔間くんが剥ぎ取った。それだけで変な感覚が襲って、その手を振り払ってしまう。
なんだリッツ、ときょとんとする月永先輩に、別に とそっけなく答えた朔間くんは、さっさと部屋の中に入ってしまった。
「…ふーん、そういうこと」
そんなことをが呟いていた人がいたなんて、知らずに。
----
遅くなりましたが、お気に入り百人突破、10,000hit?かな、ありがとうございます!
題名変えました!
198人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蝶遊(プロフ) - 私も推しが似てて嬉しいです〜! か、活躍…できる限り頑張りますっ!!笑 (2018年9月2日 7時) (レス) id: 231773e0eb (このIDを非表示/違反報告)
▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中(プロフ) - 蝶遊さん» 来てしまいました~笑 推しが似てて嬉しいです..凛月くん人気!!!!!!!!! 今後の作者様の活躍を期待していますっ (2018年9月1日 19時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
蝶遊(プロフ) - ▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中さん» わわ、こっちにも来てくださったんですね! なんか推しが似てますね…笑 コメントありがとうございます!! (2018年9月1日 19時) (レス) id: 231773e0eb (このIDを非表示/違反報告)
▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中(プロフ) - うはぁぁぁ!!!!!!!!!歌い手小説からやって来ました(*''*) 推し…同じです!凛月くん~~好きや~~!!笑 (2018年9月1日 18時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ