幼女と奇譚の中盤戦

その33 ページ34

南海「……子供？」

南海がその子供をまじまじと見ていると短刀の小夜が南海の前に立つ。

小夜「……見すぎだよ。」

南海「恥ずかしがりやさんだったのかな？だったらすまないことをしたね…」

肥前「ちげーよ。南海先生、こいつがここの本丸の審神者だ。」

それを聞いた南海はまた審神者をまじまじと見始めた。

南海「ほほう？このかたが」

小夜「だから……見すぎだよ。」

南海「君は、このかたの初期鍛刀かな？凄い、忠誠心だ」

肥前「陸奥守が初期刀らしい。こいつが皆大好きなんだと……」

南海は「ほう…」と言って、審神者の近くに座り、指で審神者の手の甲をちょんちょんと突っついてみる。

A『南海…先生？』

肥前「南海太郎朝尊。長いから俺は南海先生って呼んでんだ。」

南海「そう、僕の名前は長いからね。南海先生と呼んでくれて構わないよ？それに、僕は刀剣博士だからね。」

A『刀剣博士……』

審神者は『博士』と聞いて目を輝かせた。

小夜「よかったね、主。……わからないことがあったらこの人に聞くんだよ。」

A『うん…』

そんなやり取りをしているのみていた獅子王と宗三はこっそり退室した。

獅子「新しい仲間が増えたし、あいつらも主も仲よくなれそうだな。」

宗三「えぇ、そうですね。新しい教育係も増えましたし…」

獅子「って、南海はもう教育係に任命かよ(汗」

宗三「当たり前です。」

獅子王は苦笑いをしながら、広間へ向かう。広間では、燭台切と歌仙、大倶利伽羅がご馳走を振る舞っていた。

燭台「今日は腕によりをかけて作ったんだ！ピーマンの肉詰め！！」

歌仙「和風じゃないのは、まぁ…第二部隊のリクエストだから仕方ないが中々のでき前だろう？」

伽羅「ふん……」

獅子「うっひょー！すげー量だな！」

燭台「新人さんが料理は食べる専門って聞いてるからね！格好良く胃袋を掴みたいよね！」

伽羅「……あいつは」

獅子「ん？」

伽羅「……あいつは、新人と馴れ合っていたか？」

大倶利伽羅は審神者が心配だった。肥前が始めにきた時、警戒もなく、野良猫を手懐けるように近づいていったため、心配で仕方なかった。

獅子「大丈夫だったぜ、主とあいつらは仲よく会話してたぜ。な？宗三」

宗三「そうですね。お小夜もいますし、何かあれば僕たちに伝えるでしょう」

伽羅「そうか…」

夕餉の時間になり、全刀剣達が広間に集まった。

五虎「うわぁ〜、今日はご馳走ですね」

前田「ピーマンの肉詰めです！」

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