来ないで ページ25
ハァッ、ハァッ…!
荒い息遣い
誰かが来る
総悟)おい!!何してんでィ!!
『あ、総悟だ』
総悟)ったく、雨降り出したからもしかしたらと思ったら…
帰りやすよ
病気の癖に風邪なんてひかれたらたまったもんじゃねぇや
『病気じゃなければ良かった…?』
ダメ。
総悟)あ?
ダメだよ。
『私が…病気だから…』
思ってもいないこと
『皆に迷惑かけて』
言っちゃうから
『本当は総悟だって…!!』
パチン!!!
乾いた音、頬に残る痛み
総悟)なに、いってんでィ
俺が1度でもんなこと言ったかよ
もちろん、病気じゃなきゃよかったなんて何度も考えた、何度も悩んだ
けど、生憎そう簡単に現実は変えられねぇ
テメェが一番知ってんだろィ
わーってる、強くなれとは言わねぇ
弱音吐くなとも言わねぇ
だから、俺のいねぇとこで泣くな。
頬に総悟の指が滑る
いつの間にか泣いてたのか
『雨…だよ。』
総悟)…
無言で私を抱きしめる
壊れ物を扱うかのように
総悟)叩いちまって悪かった
帰んぞ
そう、そうやって
いつまでも私の手を引いてくれるのは
貴方でいい。
貴方がいいの。
きっと楽しいことばかりじゃない
楽なことなんて無いかもしれない
でも、貴方が隣にいてくれるなら
辛さも苦しさもみんな吹き飛んでしまうから
だから。
『ねぇ、好き。』
もう少しだけ傍にいさせて。
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作者名:沖田優朱 | 作成日時:2018年9月9日 14時