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10話 ページ12

咲魔side

私はね、元々はいたって普通の世界に生まれた

そのなかで、それなりに血生臭い、過酷な環境を生き抜いてきた



だから、魔力だの霊力だのと言われるけどね…



接近戦が一番得意なんだよ




だから武術に持ち込んだところで彼に勝ち目はない


それに……その判断をしたということは、君の視野が狭くなっていることの証だ




『少し――――…』スッ


片手を構えて、向かってくる火炎の子を前から迎える

タイミングを見計らって、力を調整して


そして全てを――――流す




『…―――頭を冷やしな』ガシッ

アリス「!うわぁ!?」


彼の服を人差し指と中指で挟んで掴み、合気の応用で空中で八の字にぶん回す←

そして八の字を描いたところで地面に向かって叩きつけ―――





ピタ―――――…



アリス「……!え…?」ポカン



――は、しない

叩きつけるその寸前で火炎の子の右手を掴み身体を止める



『…少しは怒りが飛んだ?周り、よく見てごらんよ』

アリス「周り…?」

『…前』


私が目を向けた先、先ほどまで私がいたところの背後、火炎の子が炎剣を持って突っ走っていた軌道の真っ直ぐ先

そこには見物していただろう一人の女子悪魔がいた



『もし私がまともに避けていれば、確実に君は彼女を切り裂いていただろうよ』

アリス「あ…!」

『集中するのは良いことだ。でも視野が狭くては大衆の「上」に立てなどしない
君の相手は私だろう?戦争でもあるまいに…見境なく無関係な者に刃を向けるな』



大事なことだ

手遅れになっては意味がない


仮にも人の上に立とうとしたのなら、視野は広くあらねばならない

己の感情を制御しなければならない



その気はなかった。まだ未熟である。

そんなものは言い訳になりはしない



『対象は私一人。けれど君は私以外に手を出そうとした。意志があろうがなかろうが、君にこの戦いを続ける権利はない


周りを巻き込む権利など、君にはないんだよ』




子供には言い聞かせなければ

でないと、またやりかねないからね


叱るのもまた年長者の役目だ




『だからコレはもう終わり、ね。――【しだれ組手・東風】』


ブワッ!



合気で彼の右手にある炎の剣を消し去る

火種を全て消すことのできるこの技は、なかなか優しい技だと思うよ




『―――火遊びはほどほどにしなね』


それだけ言ったら火炎の子の体勢を戻し、先の女の子の無事を確認した上で帰る

さて、明日から面倒になりそうだ

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メグミ - ファンです,まじで小説面白過ぎて好きです,脳死するかもです,次の投稿も楽しみにしています (2022年11月14日 21時) (レス) id: ebe50ea529 (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - 零月さん,この小説を自分の小説の参考にしてもいいですか? (2022年11月3日 21時) (レス) id: 08246aac29 (このIDを非表示/違反報告)
アミィ - コレで怪盗レッドの飛鳥成り代わりを書いて原作を変えて欲しいです (2022年5月22日 13時) (レス) @page8 id: b726ad44ae (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - 零月さん» おもしろい(脳死) (2022年1月20日 8時) (レス) @page48 id: 590b5b1374 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - 零月さん» お久しぶりです! (2022年1月16日 18時) (レス) @page47 id: 7f6da98090 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零月 | 作者ホームページ:http   
作成日時:2021年12月14日 18時

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