想いを聞く者《壱》

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Aside

無駄にキリッと太宰さんが決めたところで←

舌打ちしながらも国木田さんが説明をしていく




“武装探偵社”

情報屋としてはお得意先の一つだね


ただね、乱歩さんに私のことが分からないようにするのが

ちょーっとだけ大変だけどね



顔合わせ無しでのやり取りなら、福沢さんと森さんとは結構関わってる





何よりも、私は夏目さんの“三刻構想”において

朝、夕、夜を区切りまとめる役割を担ってるものでね


その辺とは、それなりの交流があるんだよ




私とて、生まれた街である横浜は好きだからね

守りたいと思うのは当然でしょう？






…………それは兎も角ね…だから太宰さん

やたらめったら自 殺の算段をしないの←


そして国木田さん、“首吊り健康法”なんて存在しないから←

どんだけ素直っていうか真っ直ぐなの

ちょっとは疑いなよあの太宰さんだよ？←失礼



？なに？さっきから太宰さんにちょっと冷たいけど、頼まれたんじゃなかったのかって？

それとこれとは別←



中島「そ…それで、探偵のお二人の今日の仕事は」

国木田「……虎探し だ。」


中島「……虎探し？」







ﾁﾘｯ



揺らいだね


動揺、焦り、恐怖、怒り、色んな感情が渦巻いている


それはそうだ、だって君は「虎」を知っている




太宰「近頃 街を荒らしている「人食い虎」だよ

倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり好き放題さ


最近この近くで目撃されたらしいのだけれど―――」






ガタッ




…ふぅ、やれやれ

これは少し荒くなりそうだね



お茶を飲みながら、この後の展開を簡単に予想する





中島「ぼ ぼぼ僕はこれで失礼します」

国木田「待て」



……しゃかしゃかって……そんな漫画みたいな…←漫画です




中島「む、無理だ！奴――奴に人が敵うわけない！」

国木田「貴様、「人食い虎」を知っているのか？」



……別に、君くらいの虎なら、私はどうこうできるのだけれどね…

何せ私の異能力の根源は「感情」


世界中の人達の感情が、私の糧となる


まぁ……少々使いづらいものもあるけれど




それにしても、国木田さんも鈍いなぁ

灯台もと暗し、ってところか



中島「あいつは僕を狙ってる！殺されかけたんだ！

この辺に出たんなら早く逃げないと――」



ｶﾞｯ―――

ビタンッ！！



おー、お見事。流石だね




国木田「云っただろう。武装探偵社は荒事専門だと」

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