想いを聞く者《壱》

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Aside

史朗さんを殺してから一年間

ただひたすら準備をした



なんの準備か？そんなの――


―――この組織の壊滅に決まってるでしょう？



でも、史朗さんみたいな人も何人かここにはいる

だからそんな人達の逃げる先を、準備してたんだ




準備を終えてようやく、その日が来た





私は両親に次の任務で呼び出しを受けているから

その前に、弾薬庫に来てた



私は生まれて直ぐに、両親に「爆弾」を埋め込まれてる

爆弾のスイッチは両親が所持しているし


許可なく組織外に出ると、自動で爆発する




だからそれをなんとかするためにここに来た


爆弾なんて、利用する他ないでしょう？




弾薬庫の奥にきて、左目にソッと手を当てる




爆弾は、私の左目に埋め込まれてる

左目そのものが爆弾といっても良い。器用な事だよね


埋め込まれた爆弾はどうすれば良いか。そんなの簡単だ







―――ズリュッ！ ドロォ…



『ｯ〜！ｯﾊｧ……ﾊｧ………』





抉り出してしまえば良い

とはいえ少しきついね


抉り出した目玉を弾薬庫の棚の隙間に置き

左目に包帯を巻いてフード付きのコートのフードを被って顔を隠す




さぁ、地獄へ案内してあげるよ、お父さん、お母さん




＊＊




『…来ました』


両親の元へくると、資料を持った父と側に母がいた

周りには黒服が三人程



「来たわね」

「今日の任務だ。今回は――」


『必要ない』




パァンッ！ カンカンッ

ドサッ ドサドサッ




銃弾を一発撃ち、跳弾で黒服三人の眉間を撃ち抜く

ふふ、驚いてるね


今まで従順だった我が子(都合の良い駒)が

突然反抗したんだものね？



『――今からあなた達を、「殺す」からね』


「ｯ…！！あなた！！」

「分かってる！！」ｶﾁｯ



母が叫び、父が爆弾のスイッチを押したけど…





……ボオォォンッ………！






爆発音は、遠くから聞こえた


ふふふ、計画通り



「なっ！？」

『ばーか』



ヒュンッ！！





短刀一で両親の首を切り、絶命させる


ふふ、弾薬庫の側には会議室がある

大惨事だろうなぁ




逃がす人達は大丈夫。爆発音と同時に逃げろと言ってあるから


逃げる先の伝も、お金も渡してある





さぁ、終わらせよう全部


お前達は全員、私が殺してあげるよ


あなた達が、私を生み出したんだからね？





――――こうして組織を壊滅させ、私はフリーの殺し屋――「新月」となった

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