想いを聞く者《壱》

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Aside

相も変わらず、変わった者ばかりだよねぇ

いや、ここがそういった者達が集まりやすいのか……


何の因果だろうね






中島「そういえば、皆さんは探偵社に入る前は何を？」





敦くんがそう聞くと、皆が静かになった

この質問は新入社員の定番のゲームだ。前職中てゲームなんて、何が面白いのやら


太宰さんに至っては中てさせる気ないでしょうに





太宰「何してたと思う？」

中島「へ？」

太宰「なにね。定番なのだよ。新入りは先輩の前職を中てるのさ」





――――まア、彼らが楽しいのなら口出ししないけれど






中島「はぁ……じゃあ……谷崎さんと妹さんは……学生？」

谷崎「おっ、中ッた。凄い」

ナオミ「どうしてお分かりに？」





その問いに敦くんは、ナオミちゃんの制服から連想したと答える

まあ妥当だね





太宰「やるねぇ。じゃあ国木田君は？」

国木田「止せ！俺の前職など如何でも―――」



中島「うーん…お役人さん？」

太宰「惜しい。彼は元学校教諭だよ。数学の先生」





わりと納得だよね






太宰「じゃ私は？」

中島「太宰さんは…………(…―――想像もつかん……！)」





ま、まさか元ポートマフィア幹部だとは思わないだろうね

私のように裏社会で生きる者でもなければ、知っている者はそうそういない


中てられる筈もないゲーム
賞金なんてものまで出てきているけど、意味ないだろうなぁ



懸賞金に目の色を変えた敦くんが片っ端から職業を云ってあげるけど、どれも中たらない




気づける筈もないだろう


彼の、深淵を宿すような目に気づかない限りは―――






pipipipipipi…


と、その時、谷崎くんの携帯が鳴った
……ふむ、この頃で探偵社への依頼となると……


…ま、そうだよね



どうせ動いてるとは思ってたよ、森さん
別に構わないけど……あんまりおいたが過ぎるようなら、君のとこの狗、消すよ





『すみません、会計お願いします』

「はーい！」




頃合いかと席を立ってレジへ向かう
彼らの側を通りながら




―――ｽｯ





ナオミちゃんの服に、こっそり盗聴器を仕掛けておいて、その場を去る


私も暇ではないからね





pi！




店を出て、連絡をする
定期的に報告してもらいたいからね、“奴”のこと






『―――何か変わったことはある？』

《かわてぃぬーんねーんどー。いちゅたー放置っし問題ねーんさー》

『そう…。引き続き頼むよ』





pi！




…さて、どうしようかね

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