想いを聞く者《壱》

・・・・ ページ20

Aside

電話も終わって探偵社へ向かうと
ちょうど敦くんが説得…説得？しているところだった

あぁ…谷崎くんか。お疲れ様


私は「無関心」を駆使しつつワイヤーを使って窓越しに体を吊り下げて中の様子を見ている

いや、そろそろ私も仕事なものだからね


窓に背と足をつけて身体を安定させながら銃の手入れをしていく


「好奇心」を使って中の様子がわかるようにするのも忘れずにね




中島「ぼぼ、僕はさ、騒ぎをき聞き付けた一般市民ですっ！いい生きていれば好いことあるよ！」



敦くんちょっとどもりすぎだよ
まぁ頑張れ〜



谷崎「誰だか知らないが無責任に云うな！みんな死ねば良いンだ！」



あらら、普段の谷崎くんとは全く別のキャラだことで

それも人質役はナオミちゃんって……さてはナオミちゃんノリノリだね？



中島「ぼ、僕なんか孤児で家族も友達も居なくてこの前もその院さえ追い出されて行くあても伝手も無いんだ！」

谷崎「え……いや、それは、」



突然の敦くんの闇←


谷崎くん狼狽えちゃってるじゃない…

まぁ君優しいものね




中島「害獣に変身しちゃうらしくて軍警にバレたらたぶん縛り首だし、とりたてて特技も長所も無いし誰が見ても社会のゴミだけど、

ヤケにならずに生きてるんだ！だ、だだだから、」



……敦くーん？大丈夫？正気保ててる？SAN値チェック失敗した？←

…うん、だーめだこれ。完全に自虐モードに入っちゃってるね…


ていうか敦くん

君のは自棄になってない訳じゃなくもう正気じゃなくなってるだけじゃ……？



そして太宰さん、今敦くんのこと「駄目人間の演技上手いなぁ」とか思ってるでしょう

駄目人間はそっちの方だからね？←



中島「ね、だから爆弾捨てて一緒に仕事探そう」




敦くん、目、目が怖い

誰が敦くん正気に戻してあげて




谷崎「え、いや、ボクは別にそういうのでは！」



もう怖がってるじゃない
大丈夫谷崎くん。君ヘタレでビビりなのに…←




とそこで太宰さんが国木田さんに合図を送ると

国木田さんは手帳を取り出した


さて、私もそろそろ




国木田「手帳の頁を消費うから、ムダ撃ちは厭なんだがな……！」









独歩吟客






国木田さんが手帳に素早く「鉄線銃」と書くと

その頁を破り、彼の「異能力」を発動



それと同時に私も遠くの建物に向けて銃を構えた

・・・・・→←・・・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す