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ある過去 ページ2

Aside

ガンッ!



「ほら、速く来なさい」



殴られた頭が痛い…でもまぁ、“慣れた”







私が誰なのか……これを見ている皆は分かってるんだよね?


これは私にとっての今で、私にとっての過去だ






私の両親は、それなりに大きい裏社会の組織の科学者


実験体を得るために、忠実な殺しの駒が欲しいために子供を作るような

そんな、救いようのない人達



その人達の間に生まれたのが、私





私の両親は、いったいいつから私に暴行等してたのかな?

物心ついたときには、もうそんな程度の事で泣いたりしなかった


涙なんて、生まれたときから持ってなかったんじゃないかってくらい

全く、泣くことができない




物心ついてから、毎日薬の実験と、荒い殺しの訓練

ただ私の心は強い方だったのか

すぐに自分の心を保つ方法を見いだせた




初めて人を殺したのは、五つの誕生日

対象はしたっぱの、別組織に裏切ろうとした者だ


私もやはり裏の人間ということか、才能があった


人を殺す、才能が



そのしたっぱは短刀で首を切って殺した

でも不思議と、何も思わなかった


強いて言うなら、寧ろ満足だった




多分、そのしたっぱもまた、救いようのない悪人だったからだと思う


首を切るのに、躊躇いは欠片もなかった




「スッキリした」といった感じで

自分の事ながら冷徹だな、なんて思ったね




それからは、組織の殺し役として訓練、実戦の日々


けどふとある時、いつもと視界が違うのに気付いた

それが何なのか、すぐに理解は出来なかったけれど


私は元々聡かったんだろう

両親や組織の人間に話してはいけないと、それだけは理解した


その判断は正しかったんだと、そのあと知ることになった




基本的に組織内には、黒い靄や糸のようなものが濃く絡み付いていて

心臓の辺りにどす黒い、凝血したような色の楔が打ち込まれているように見えた


あとは、黒の混じった炎が追っていたり、ヘドロのようなものが絡み付いていたり





観察していくうちに、見えているものが誰かの「感情」だと分かった



黒い靄は、その魂の穢れ具合を表していて

楔や炎、ヘドロは誰かから向けられる怨み憎しみ



それ以来、組織で動きやすくなった

誰が何を企んでいるのか、どうすれば目を付けられないか


頭の良さも相まって、なんとかなってた



そうやって少しずつ、「なんとか」できる力を身に付けていった

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リゼ - 零月さん» うしおととらはまだですか? (2022年4月12日 13時) (レス) id: bd60c7e03e (このIDを非表示/違反報告)
maichametamtam(プロフ) - 魔入間とうしおととらの最新を、、、 (2022年4月10日 15時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - そうですが、答えていただきありがとうございました。( ´∀` )b (2021年10月12日 7時) (レス) id: caf70309bf (このIDを非表示/違反報告)
零月 - 時雨さん» 少々見きり発車的な部分があったため消してしまいました。すみません (2021年10月11日 20時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 零月さんいつも楽しく読ませてもらってます。聞きたいことがあるんですが刀剣乱舞と鬼滅の刃のクロスオーバーで夢主が日輪刀の話がなくなっていたので消してしまいましたか?(蛇柱の日輪刀じゃない方です) (2021年10月11日 18時) (レス) id: caf70309bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零月 | 作者ホームページ:http   
作成日時:2021年9月5日 21時

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