【憂国のモリアーティ】姉さん、姉さん。 (ページ5)

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不運の連鎖ページ5

それから一週間後

今日のアルバートは、大変不運であった。

どのくらい不運であったかというと、軍でアルバートが嫌いな人種とする“お偉いさん”に絡まれ、そいつの子供である令嬢に会いに行く約束を結ばされた。

さらには頼んでいた馬車が何故か来ず、仕方無しに遠い道のりを歩いて行こうとしたら眼の前に太い鉄のパイプが落ちて来たり、何故か頬の直ぐ真横に包丁が通過した。
他にも植木鉢が落ちて来たり、酔っ払いに割れたガラス瓶で刺されそうになった。

命の危機を本気で感じた。

であるから、アルバートは人が多い大通りではなく薄暗い路地裏を歩いていたわけである。

もうとうに夕日が沈み、青白く輝く月が空高くに昇っていた。

そこでアルバートははたと気づく。人の居ない方向へ“誘導”させられているのではないか？と。
冷静に考えてみれば、今日のアルバートは運が無いにも程がある。お偉いさんは仕方無しにしても、十を超える生命の危機は現実に有り得ないだろう。

アルバートの脳裏に、最近たくさんの貴族が事故で死んでいることを思い出した。

貴族狩りと貴族の事故が繋がっているのでは無いか＿＿＿＿＿？

だが、気がつくのが遅かった。

彼は運が無い日だったが、あれらは今覚えばまだ良い方だった。

現在アルバートの前方には、黒く大きなマントを頭から被った人物＿＿＿＿“貴族狩り”が居る。

マントの裾からほの見える、ギラリと光っているものは例の武器なのだろう。

「今日は本当にアンラッキーな日だな…」

思わず苦笑が漏れてしまうほど、今のアルバートは疲弊していた。

刹那、アルバートの眼前に銀色の筋が一直線に伸びた。

「……ッッ！！」

迫り来る光の線を瞳の奥で認識し、反射的に顔を横にそらすが首に熱い感触が広がった。かすってしまったようだ。
距離をとるため後方へ飛び退くと後ろで微かな物音が聴こえた。おそらく先程の武器が煉瓦の壁に突き刺さった音だろう。

ウィリアムの手紙の通り、貴族狩りは鋭利な細い武器を使用するようだ。投げ道具としても使うとは。

「まずいな………」

じわり。アルバートの首から緋色の血が垂れていき、コートに隠れた白いシャツを汚していく。

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ええ知ってますよ。アルバート様はこんなじゃない。

小説に関して何も知らない素人が書いているものですので、文脈がおかしいところはお見逃しください。