3.無力な青を愛したかった ページ4
もう1つ、彼女は大きな病を抱えている。
「それ、どうしたんだよい？」
朝の食堂で、彼女は1人朝食を食べていた。
今日は体調が優れているのか、おれが起こす前に起きていて、心做しか頬も色付いている。
そんな彼女の額に、何かにぶつけたような痣が。
幸いなのか、そんなに酷いものでもないがAが何故、額を怪我したのかは想像出来る。
「ふふ、また目が悪くなっちゃったみたい」
恥ずかしそうに額を隠す彼女の瞳を見つめる。
紫色の左目と、白く濁った右目。
彼女の目は宝石で出来ている。
右目の白はパール、左目の紫ももうすぐ右目とおなじ色になる。
「...あんまりうろうろするんじゃねぇよい」
「大丈夫、怪我はマルコが治してくれるもの」
「バカにつける薬はないよい」
「ふふふ、治してくれないの？」
頬杖をついて、柔らかい眼差しを向けられればおれはもう何も言い返せない。
その視界はほとんど何も見えていないはずなのに、彼女の視線はいつも全てを見通しているようだった。
黙って青い炎を出せば、心底嬉しそうに笑うからそれだけで何もかもがどうでも良くなる。
「ふふふ、ありがとう」
おれはAの病を治せない。
俺の能力の回復よりも早く、病がどんどん進行していくから。
そんな自分が惨めで情けなくて、何度も机を殴りつけた。
Aの病も治せない、殺してやることも出来ない無力な青が憎かった。
けれど、
「相変わらず、綺麗ね」
お前がそうやって笑うから、いつだって嫌いにはなれなかった。
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「ぱずる」(プロフ) - 哀羅さん» はい、新作を作ろうと思ってますのでもう少しお待ち下さい！ (2020年11月20日 2時) (
レス) id: 6f1abe1470 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 「ぱずる」さん» またなにか新作作られますか？楽しみにしてますね！ (2020年11月19日 19時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
「ぱずる」(プロフ) - 哀羅さん» そう言っていただけてめっちゃ嬉しいです！！最後までご愛読ありがとうございました！！ (2020年11月19日 9時) (レス) id: 6f1abe1470 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - おつかれざまでじだ泣泣泣もう涙腺崩壊中でず泣でもっ！でもっ！主ちゃんとマルコなりの幸せの形が見えました。最高の結末です。 (2020年11月19日 2時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 「ぱずる」さん» ですよね〜泣最後どうなってまうんやろうなぁ…気になりすぎる！待ってます！ (2020年11月15日 16時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：「ぱずる」 | 作成日時：2020年6月24日 3時
