縁側の幸せ2 (ページ24)

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「そういえば、裁判始まったんだって？」

『あーはい、ただ私は刑事さんにらお任せしてるので…よく分かってないんですけどね。幸い証人も何人か居るみたいで、私は出なくて済みそうです。』

「ちゃんと捕まって罪償ってくれれば良いね」

『そうですねー…』

「…まだ電話はくるの？」

その質問にAの手が止まる
倫也には事件について殆ど話していないけど、きっと数日前の佐藤さんの話が聞こえたんだろう、両親の話の時の佐藤さんの声は大きかったから

自分が愛されていませんと自己紹介をする様な気分になるから両親の話をするのはあまり好きじゃないAは少し戸惑いながらも口を開いた

『まぁ、たまにきますね…多分必死なんですよ、犯人ーー寺之内って言うんですけどね、そこの息子が犯人なんですけど、うちの両親や兄はそこの父親に頭が上がらないので…
息子が捕まったら権力無くして会社も倒産、なんて事になっても両親や兄は自分の会社とも無関係じゃないから困りますし、田舎社会だから今のまま権力持ち続ける可能性もそれなりにあるなって事で、波風立てるくらいならお前が我慢しなさい！って言いたいんだと思いますよ』

「…仕事なんてどうにでもなる事より娘や妹の心配して欲しいね、こんなに可愛いのに」

『へ…？』

悲しみと怒りの混ざったぶっきらぼうな話し方で現状を確認する様に説明した後、思っていたのと全然違う言葉が倫也から返ってきてAは気の抜けた声が口から漏れた