縁側の幸せ2 (ページ32)

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ペットボトルをそのまま入れておくと保冷出来るものらしく、見た目も可愛らしいデザインのそれは女性御用達のショップのもので
倫也があのAからのメッセージだけであのショップに買いに行ってくれたのかと思うとAは驚きと嬉しさで顔が緩んだ

『ありがとうございます！あのメッセージ見て買いに行ってくれたんですか？ここのショップ男性1人で入るには勇気要りますよね…？』

「んー？まぁ、可愛いAのためだからね」

ニヤニヤと笑いながら誤魔化す様に言う倫也にAは今にも出てきそうになる好きという2文字を飲み込みもう1度お礼を言った

『私からも、遅くなりましたけどお礼とお詫びです』

「ん…？あぁ、ありがとう」

数時間前までどう渡そうか、等と考えていたAだったがそんな事は頭から抜けていて紙袋に入った帽子を倫也に手渡す

「とりあえず俺の家行こっか？買い物してくれたの？」

『あ、はい！荷物持ってきますね』

そう言いながら部屋の奥へと消えたAはパンパンになったエコバッグを持って玄関へと再び現れた

「あはは、凄いいっぱい買ったねぇ。俺持つから貸して」

そう言うとAの手からエコバッグを受け取り付いてきてね、と言いながら隣の倫也の家へと移動する

『おじゃまします』

「はい、どうぞ〜」

来るのは2度目だがAは以前と違って少し緊張している様で、落ち着かないのか早々に晩御飯を作る準備を始めた

「調味料の場所とか分からなかったら聞いてね」

『はい、ありがとうございます。……あの…座っててもらって良いですか？』

優しく声をかけにきたと思ったらずっと同じ所に立ってAを眺めている倫也にとうとう痺れを切らしたAは料理を作る手は止めないままに座るよう促す

「見られてるの嫌？」

『嫌というか、気になるというか』

「嫌じゃないなら見てたいんだけど、それとも手伝う？」

『いや、それはダメです。…もう、見てて良いですけど足疲れてないですか？』

「大丈夫だよ、あー、良い匂いしてきた」

どうせ唐揚げをするのなら、とおつまみにと揚げ出し豆腐を作っていると倫也が幸せそうな顔でAを見つめる

『なるべく早く作りますね』

「良いよ、ゆっくりで。明日オフだし」

久しぶりだから嬉しいわ、と言いニコニコしながらAの作るおつまみと唐揚げを出来上がった順にテーブルへと運んでいく倫也を見てAはまた愛おしく感じた