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27話 ページ28

至)「殴り込みにでも行こうか?」

出来もしないことを言ってみた。
殴り込んで、何してんだよって。

漫画やドラマのような、歯が浮くセリフでも言ってやろうか。
…多分俺はそんな度胸も熱量もないからやらない。

でも。
ほんとにそれを津野崎が望むならば。

やってやろうじゃないか、と思うぐらいにはムカついていた。

あ)「…本当?」

津野崎は目を輝かせ、おずおずと伺うように聞いた。

至)「本当」

しばらく俺を見たのち、津野崎は笑い始めた。

あ)「んふっ。あはは!うん…ちー、ありがとう」

津野崎も、俺がする訳ないって思ってんだろなー。
でもまぁいいか。

笑ってくれたし。

至)「ははっ」

自分の言ったことがバカらしくもおかしくなって、俺も笑った。



帰り際、津野崎は言った。

あ)「私、ちゃんと話してみる。勘違いとかすれ違いとか嫌だし」

至)「いいんじゃない?」

あ)「だからちーも……負けないで」

至)「…ん」

負けないで、か。
津野崎らしい言葉だと思った。






津野崎とのご飯から、2週間が経った。
ニナは後1週間ちょっとで帰ってくる。

多分俺はまだ、ニナが好きだ。
…と、思う。

本音を言えば、なんかよくわからなくなってきた。
そんなもんかとか、いや違うとか。

自問自答を繰り返しながら、今日まできた。
ニナが帰ってきたら、きっとわかる。

「ーー!」

「ーーー」

…何?
共有スペースに繋がる廊下で、喧嘩してる声と、それを止める声が聞こえた。

日曜の朝から、元気いいなー。
なんて呑気に考えながら、共有スペースに向かった。

至)「どうしたー、外まで聞こえてるぞー」

中に入ると、万里に抑えられた天馬と、頬が赤くなった十座がいった。
どうやら、天馬と十座の喧嘩らしい。

珍しいな、と思った。
二人が喧嘩する事なんて滅多にない。

いや、見たことないから初めてかもしれない。

皇)「…俺はアンタがそんな意気地なしだとは思わなかった」

十)「…」

皇)「好きじゃないなら、ハッキリ言ってやればいい…!あれじゃニナが…可哀想じゃないか」

万)「天馬、落ち着けって。あー、兵頭にだって考える時間が必要だろ?」

皇)「何を今更考えるんだよ!あれだけずっと特別視されてんの、気づいてただろ?!」

ニナの事で揉めてるんだ。
俺があの日、ニナの気持ちをバラさなければ。

こんな喧嘩は起こらなかっただろうね。
だけど俺は止める気がない。

何故なら十座がどう思ってるのか、俺も知りたい。

十)「…そうだな」

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なーこ(プロフ) - まるさん» 見落としてました…。すみません、気をつけます (2018年10月9日 12時) (レス) id: bce89ec21f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月9日 11時) (レス) id: 07f23207a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーこ | 作成日時:2018年10月9日 9時

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