【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ7)

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第6話 side ページ7

「そら～。先お風呂入る？」

す

部屋着に着替えた花梨が部屋から少し顔を出し、聞いて来た。

「いや、良いよ。花梨先入りな」

「は～い」

部屋に戻り、パジャマや化粧水なのを手にとって、花梨は風呂場へ向かった。

花梨が風呂に入ったことを確認すると、俺は床に体を預けた。

正直、今かなりやばい。

この家のどこに行っても花梨の匂いがする。

それだけで俺の理性は簡単に崩れそうになる。

「…無理だろ…」

好きって自覚があるわけじゃない。

ただ少し気になる子くらいにしか思ってない。

ま、花梨の方は俺のことなんて気にもしてないんだろうけど。

「……編集しよ。」

花梨から借りたパソコンにUSBをさし、溜まっていた動画の編集をしようとした。

ピロリン

えいちゃん今どこにいんの?
大木花梨の家
えいちゃんいつ帰ってくんの?
大木雨酷いから今日は花梨の家泊まるわ

それだけ送って俺はスマホの電源を落とした。

なんとなくえいちゃんの次の返事を見たくなかったから。

ぼーっと天井を眺めてると花梨が風呂から上がって来た。

「何やってんの？」

「…天井みてた」

「気持ち悪いことしてないでそらもお風呂入ってきなよ。」

「わかっ……」

わかったって言うつもりだったけど、そこまで来て言葉が止まった。

花梨の服装を見てしまったから。

キャミソールに短パンという、なんとも露出の高い服装だった。

男の俺がいるのに、こんなにも無防備で良いのか。

今の時代、女の子に恥じらいってものはないのか。

「…俺が男に見られてないだけか」

小さく呟いた言葉は勿論花梨に聞こえるわけもなく、

「ん？」

と返された。

少しため息をついた後、

「いや、なんでもない」

そう言って俺は風呂場に向かった。

服を脱いで浴槽の中に勢いよく入った。

そのせいか、お湯が跳ねて浴槽の中から溢れ出した。

濡れた体を伝うお湯たちが今は鬱陶しくて仕方がない。