【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ44)

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第40話ページ44

あれから一週間。

当たり前が全て変わった気がした。

一緒が別々になった気がした。

当然忘れられることは出来ず、心のもやもやはまだ消えない。

心に出来たわだかまりは絡まって取れない。

返事…しないといけないのかな。

いや、そりゃしないといけないだろう。

でも、出来るわけがない。

あの二人を恋愛対象で見たことなんて多分ない。

二人は多分、両方断っても片方受け入れてもどっちも笑って受け入れる｡

黙って受け入れる強さと優しさがあるからだ。

だからこそ躊躇ってしまう。

だからこそ戸惑ってしまう。

2人を恋愛対象では見たことないとは言っても、

ひょっとしたらもうどっちなのか分かってるのかもしれない。

気づいてないだけできっともう決まってる｡

ｳﾞｰｳﾞｰ

震えたスマフォを覗くと、

【アバンティーズ新着動画の通知】と書いてあった｡

またバカで楽しい企画をやったのだろうと思って横にスライドした。

けれどその期待はいとも簡単に裏切られ、

私を暗闇の絶望へと叩き落とした。

｢何これ…｣

その動画のタイトルは【僕たち活動休止します。】

その動画の内容は耳を塞ぎたくなるもので｡

不意に一週間前のことを思い出した。

もしかして…あれのせい？

私のせい？

耐えきれなくなった私はそらに電話した。

ねぇ、そら。

どういう事なの？

いきなり活動休止とか意味わかんないよ。

お願い、出て。

『もしもし』

久しぶりに聞いたそらの声は一週間とほとんど変わらなかった。

『ねぇそら。活動休止ってどういうこと…
？』

先程までLINEも既読スルーしてた癖に､

自分の知りたいことだけを聞くなんてずるすぎる。

こんな自分が嫌になる。

『何って…そのままの意味だけど。』

『そうじゃなくて…！何でいきなり活動休止なんて…』

しかし、そらから返事は帰ってこなかった。

少しの沈黙が流れた後、そらは話を変えた。

『ねぇ、花梨｡』

次の言葉は意外すぎて、

けれどそららしくて。

『ちょっと、出掛けない？』