【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ5)

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第4話ページ5

そらが事情を話して、とりあえず私は家に入れてもらった。

けど赤い髪の人、”えいちゃん”と呼ばれた人は私を睨みつけたままだった。

「花梨…もう気づいてると思うけどさ。俺、YouTuberやってるんだ。こいつらとアバンティーズって名前で。」

「うん。…てかなんで隠してたの？」

「いや、特に深い意味はなくてさw花梨も同じYouTuberだから言えばよかったなあ」

「えっ！？花梨ちゃんYouTuberなの！？」

私に話しかけたのはツリメ君。

私がこの家に入った時も快く受け入れてくれた。

「はい。って言っても顔出しはしてないんですけどね…」

「花梨のチャンネルすげぇんだぞ！な、なんだっけ…DY…A？」

「DIY…。それこの前も間違ってなかった？」

「アルファベットは苦手なんだよ！」

その後も数分、そらとツリメ君と話した。

けどその会話に赤い髪の彼が入って来ることはなく、私を睨み続けていた。

なんかやだ…。

帰りたいという気持ちが6割を占めた時、赤い髪の彼は言葉を発した。

「”大木空の友達”じゃなくて”アバンティーズのそらちぃの友達”っていう肩書きが欲しいだけだろ。」

しっかりと聞こえる声量で放たれた言葉は私とそらとツリメ君の耳にしっかりと聞こえた。

「…えいちゃん…？」

ツリメ君が少し苦笑いしながら赤い髪の彼を呼んだ。

けど、赤い髪の彼は私をじっと睨みつけるだけ。

「”アバンティーズのそらちぃの友達”っていう肩書きゲットできて良かったな。で？次は何？ツリメにも手出すんだ？」

バカにしたような、見下したような喋り方と言葉がものすごく癪に触って腹が立った。

「帰る。」

私は勢いよくその場を立った。

「え、花梨？」

「こういう態度の人と話したくない。」

驚くそらを無視して私は玄関へ早歩きで向かった。

「え、ちょ花梨！？」

扉を閉めるときに少しだけそらの声が聞こえた。

”アバンティーズのそらちぃの友達”なんて肩書き私は求めてない。

”アバンティーズのツリメの友達”なんて肩書きも私は求めてない。

私はただ、単純に話しかけてくれることが嬉しかっただけ。

赤い髪の彼の言葉はツリメ君やそらの優しさを踏み捻ったような気がして、ものすごく腹が立った。

マンションを出ると雨がパラパラと降って来た。

「なんなの…もう」