【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ27)

今日:22 hit、昨日:0 hit、合計:85,333 hit

第24話ページ27

｢あ、ねぇ。そう言えば今日祭りあるらしいよ？｣

昼食を食べたあと、皆でスマブラをしているとそらが言った。

｢あ、それTwitterで見たわ！行こうよ！｣

ツリメ君はコントローラーを投げて立ち上がった。

投げられたコントローラーはゴロゴロと音を立て部屋の隅に転がった。

｢ちょっとコントローラー投げないでよ。｣

少し困ったように、少し怒ったようにそういったりっくん｡

すこしオカマ混ざってる気がする…｡

｢行きたいけど…浴衣とか無くない？｣

どうせ行くなら浴衣がいい。

けど浴衣なんて使わないから実家に置いてきたし…｡

｢じゃ買いに行こうよ！｣

ツリメ君は足をどんどんさせながらそう言った。

｢下の人に迷惑だからやめてよ～｣

興奮したツリメ君を注意するりっくん｡

さっきと殆ど一緒やん…｡

｢まぁ時間あるし買いに行くか｣

｢よっしゃー！｣

ツリメ君はそう言って部屋を走り回った。

｢だから…はぁ…｡車出してくるね。｣

注意することに意味が無いと察したのか、呆れながらりっくんは車の鍵を持って出ていった。

ツリメ君とそらは出掛けるためにゲームを片付け始めた。

そう言えばさっきっからえいちゃん話してないな。

疲れてるのかな。

そう思ったえいちゃんの方を見る。

｢寝てるじゃん…｣

小さかった私の声はゲームを片付ける音に掻き消され、ツリメ君とそらの耳には届かなかった。

｢えいちゃん｡皆で出掛けるから起きて？｣

何度か呼び掛けたり、揺らしたりしてみたけど全く起きない。

しばらくじっとえいちゃんの寝顔を見つめていた。

一重だけど綺麗な形の目。

鼻筋が通ってて､目と同じく綺麗な形の鼻。

綺麗な輪郭。

見てて飽きないなぁ。

｢何見てんの｣

ふと目の前の彼の目が開いた。

｢そんなに俺の顔好きなの？｣

ニヤニヤしながら聞いてくるえいちゃん｡

否定しようと思ったけど急に恥ずかしくなって出来なかった。

自分でも顔が赤くなってることが分かった。

｢べ、別にえいちゃんの顔なんて見てないし｡ほら早く起きて。皆で出掛けるんだから｡｣

｢ん、知ってる。最初から起きてたもん。｣

｢嘘っ！？なら起こそうとしなくて良かったじゃん…｡損したわ…｡｣

｢ハイハイ｡ほら早く行くよ。｣

｢それ私のセリフ！｣

少し触れた手から伝わるい温度異常なくらい熱かった。