【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ23)

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第20話 side ページ23

目を覚ますと、見慣れた天井がそこにあった。

近くにあるデジタル時計に『7：52』と書かれていた。

普通に仕事している人や、学生にしたら遅すぎなのかもしれない。

けどニートからしたら早すぎだ。

まぁ、俺はいつも6時半には起きてるから、この時間帯に起きるのは遅すぎ。

珍しく寝過ごしたなぁ。

横を見るといつも一緒に動画とって、一緒に行動して、いつも隣にいる相方が寝ていた。

空いている口から少し顔を覗かせているのは立派としか言いようがないくらい逞しい前歯。

コメントで「じんたん可愛い」とか「マジ天使」とかよく来るけど…。

「ブッサイクだなあww」

そりゃ私生活では「こいつ可愛いな」と思うことはあるけど、こいつの寝顔を見て可愛いと思ったことなんて一度もない。

しばらく寝顔を眺めていると、じんたんは目を覚ました。

「……ぁ？」

「起きてからの第一声それかよwおはよ。」

「…おはよ……」

寝起きのゴッド藤枝は布団から出ると、スマフォを見た。

「あれ？珍しく早起きじゃん。」

目をこすりながらじんたんはこっちを見た。

「テオくん何時起き？」

「俺もさっき起きたよ。」

「珍しく遅起きじゃんw」

バカにしたような、勝ち誇ったように笑ったじんたん。

いや、お前の方が遅起きだからな。

「あ、そうだ。テオくん今日暇？」

「暇だけど…撮影？」

「撮影もするけど、久々に駅前のカフェ行こうよ！あそこのカフェよく花梨さん来るらしいし、もしかしたら会えるかもよ！」

少し興奮しながら話すじんたん。

じんたんは花梨さんガチ勢だ。

InstagramでじんたんからDM送ってLINE交換したらしい。

俺はじんたんから花梨さんのLINEIDをもらった。

勿論俺も花梨さんを尊敬している。

手先も器用だし、編集がやばいし、可愛いし。

LINEでビデオ通話した事は何度かあるけど、まだ会った事は一度もない。

「じゃあ今日そこ行こ。」

「よ～し！じゃあ早速準備しよう！」

そう言ってじんたんは部屋を出て言った。

俺も準備するか。

数分で準備は終わり、2人で朝ごはんを食べた。

まだ時間が早いから家で少しゆったりしていた。

昼過ぎになり、いつものカメラを持って家を出た。

カフェに着くと、動画やビデオ通話で聞いたあの綺麗な声が耳に入った。

「テオくん！じんたん！」