【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ18)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:85,319 hit

第16話 side ページ18

「やらかした…」

あの後、大学に戻る時特に会話はなかった。

歩いている時、花梨をチラッとみると何度か目があった。

その度に気まずくなって、少しずつ距離ができた気がした。

何か話したげだった花梨。

まぁ、話したかったことは何となくわかる。

何でいきなりあんなこと言ったんだよ…。

いつもなら俺の隣には花梨が座っているはずなのに今日は空席のままだった。

ほとんど人がいない食堂の隅の椅子に座り、今更後悔してる俺。

よく考えればあれは花梨も悪いんじゃないのか。

脚の部分が折れてる椅子を踏み台にするか?

花梨が落ちてきたときは一瞬本当に焦った。

この世の終わりかと思うくらい焦った。

花梨をかばって、俺が下敷きになった時はもっと焦った。

心に余裕がなかった。

余裕なふりしてたけど全然余裕じゃなくて。

平気なふりしてたけど全然平気じゃなくて。

心臓はバクバクして鼓動は止まんないし、手汗半端ないし、カッコつけるので精一杯だった。

すぐ退けようと思ったけど花梨のいい匂いが俺の理性を簡単に崩したので無理だった。

俺は心の中で自分自身と戦って心臓バクバク状態なのに、花梨はいつも通りで。

意識してんのは俺だけかよ…。

手を握ろうと提案してきたのも一瞬本気で期待したけどあれも冗談だったらしいし。

舞い上がって調子乗って変に意識していたのが恥ずかしくて仕方がない。

けど何であんなこと言ったのか、あんなにドキドキしたのかわからなくて。

けどそんなの本当はもうわかってて。

気づかないように、気づかれないように逃げてきただけ。

気付いた時が一番嬉しいとかよく言うけど、

距離が近ければ近いほど、

気付いた時が一番怖いんだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんか短くね？え？気のせい？

てかりっくん出て来なさすぎない？

近いうちに出しますね！