【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ15)

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第13話ページ15

「ん～…わかんない」

図書室の机に座り、1人声を漏らしたのは私。

大学のテキストや借りた本をを机一杯に広げ、１つの問題と格闘していた。

公式や解き方は分かるけど、その後の計算が上手くいかない。

どうしよう…。

「な～にやってんの！」

「うわっびっくりした…！いきなり来ないでよ…」

いきなり私の肩をポンっと叩いて声をかけたのはそら。

今日は講義の時間が同じだから一緒に来る約束だったけどそらが寝坊したので置いてきた。

「置いてくなんて酷くない？」

「起きないそらが悪い。LINE送ったんだからね？」

既読無視されたけど。

「ごめんごめんwで？何やってんの？」

「問題解いてんの。公式とかは分かるんだけど計算が上手くいかなくて…。」

そう言いながら私は解きかけの問題を指差した。

「あ～これね…。」

「分かる？」

「ん～…」

そらは問題を眺めながら頬杖をついた。

「分かんない。」

「わかんないんかいw」

「いや、待てよ…ここをこれにかけて…これとこれをたして……」

「あ、できた」

できた答えと回答の答えは同じだった。

「え、まじで！俺天才じゃん！」

色々叫ぶそらを無視して私は時間を確認した。

時間は11時で講義の時間まで後2時間近くある。

「時間まだあるけどどうする？」

机に広げていたテキストや本を片付けているとそらが何かを期待したような顔をして話しかけてきた。

「久しぶりに一緒に出かける？」

「行く！」

片付けが終わった私の手を引き、図書室を出た。

「どこ行きたい？」

そらは出かけるとき「どこ行く？」じゃなくて「どこ行きたい？」って聞いてくる。

そらはよく自分のこと「優しくない」とか言うけど、こう言うところに優しさが滲み出ちゃってるんだよなぁ…。

「あ、脱出ゲームの所行きたい！」

「いいじゃん！行こ行こ！」

脱出ゲーム久しぶりだな。

前にそらといったとき、脱出する道ではぐれたっけ…。

「はぐれないように手繋いどく？w」

「えっ…」

「え…」

顔を真っ赤に染めて動揺し始めたそら。

「え…冗談で言ったんだけど…。」

「えっあ、うん。わかってるよ！わかってる…！冗談でしょ。うん。」

そう言ったそらは私よりも3歩ほど先を早足で歩いた。

なんでいきなり照れるの…。

「こっちまで照れるじゃん…」