【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ14)

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第12話ページ14

ツリメ君に手を引かれ、入った店はプリシラ。

「あ、ここきたことある」

以前、【ウィッグを三つ編みにする方法】と言う動画を撮ったのだが、動画で使ったウィッグはここの店のものだったりする。

「花梨ちゃんカツラ使って誰かにイタズラしたの？」

「違う違うw動画で使ったの。」

ツリメ君は私が言い終わる前にいいカツラを探しに行った。

ツリメ君を追いかけようとした時、店員さんに声をかけられた。

「恋人なんですか？」

「へっ！？い、いえいえ！違いますっ！」

ニヤニヤしながら聞かれたから少し焦って、余計怪しまれるような態度になってしまった。

「若いっていいですね～」

「だからっ…！(「花梨ちゃ～ん！」

後ろを見ると４つのカツラを持ったツリメ君がいた。

「どれがいいと思う？」

目の前に出されたのは赤のロングのウィッグ、青のショートのウィッグ、黄色のミディアムのウィッグ、緑のストレートのウィッグだった。

「私の好みでいいの？」

「俺センス悪いからさ。」

センス悪い人がこんなにお洒落な服着ないと思う…。

初めて会った日も今日もツリメ君の服はお洒落でとてもセンスが良かった。

謙虚なのかな。

「ん～…じゃあこれ」

私が指差したのは赤のロングのウィッグ。

「んじゃ、買ってくるね～」

そう言って赤のロングのウイッグ以外のウイッグを元の場所に戻し、レジに向かった。

なんとなく…。

なんとなくだけど。

あの赤色のロングのウィッグを見た時、えいちゃんを思い出した。

髪が赤だからかな…？

「買ってきた！」

「早くない？wあ、持つよ。」

半ば強引に奪い取ったウィッグが入った袋。

袋の隙間から覗く赤い髪の毛。

「なんかえいちゃんに似てるよね。このカツラの髪色。」

「うん。さっきそれ思った。」

「帰ったらえいちゃんに被せてみよう」

「写真撮って送って！」

「あ”あ”あ”あ”い」

「酔ってる？w」

「酔ってないよw」

気がついたら私の家の前に立っていて。

楽しい時は時の流れが早いって本当なんだなぁ。

「送ってくれてありがとう。またね。」

「おやすみ～！」

遠くからブンブン手を振るツリメ君。

私も彼につられて大きく手を振った。