【エイジ】赤色に染まる【アバンティーズ】 (ページ2)

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第1話ページ2

「あ、あの！アバンティーズのそらちぃですよね！」

次の講義に向かうため、そらと大学を歩いている時だった。

私達の３歩ほど後ろにいた可愛らしい女の子がそらに声をかけてきたのだ。

「そうだよ～…ってあ！いや、あのちょ、ちょっとそっちで…」

チラッと私の顔を見たそらはその女の子を連れて私より少し離れた場所で写真や握手をしたりしていた。

そら、鼻の下伸びてるよ。

こういったことは今までに何回かあった。

そらと歩いていると、数人の女の子や男の子に声をかけられ、その度にそらは私から離れて場所で写真を撮ったりする。

まるでアイドルみたいだ。

そういえばさっきの女の子が言っていた”アバンティーズ”という言葉。

友達から聞いたことがある。

大人気のYouTuberらしい。

薄々は気づいてはいたけど…やはり…。

握手をし終えたそらは女の子に軽く手を振り、こちらへ戻ってきた。

再び、並んで歩き、大学を歩いた。

何度かチラチラとこちらの顔色を伺うそら。

「なに？」

「いや、なんでも…」

「ねぇそら。」

「ん？」

「そらってさ…YouTuberやってる？」

先ほどまで続いていた会話はそこで途切れた。

それは少し困惑したような、迷ったような顔をした後、まっすぐ私の顔を見つめて言った。

「今日、講義の後暇？」

「暇だけど…」

「ならさ、俺の家来ない？」

「そらの家？」

「うん。…正確には俺らの家なんだけど…」

俺らってことは誰かと住んでいるのか。

確かアバンティーズというYouTuberは4人グループだった気がする。

もしそらがアバンティーズのメンバーなら”俺らの家”でもあながち間違っていない。

「わかった。」

別にそらがYouTuberだろうがYouTuberじゃ無かろうが私には関係ない。

けどもしYouTuberなら私と同じだってことになる。

「その代わりさ…」

「ん？」

「交通費出してね。」

「交通費かよww別にいいじゃんそんくらい稼いでんだからさぁww」

「良くないよ。私、エコな人だから。」

「つまりケチじゃん」

「黙れヒゲ。」

「ヒゲじゃねぇわwwこれでも剃ってきたんだよwww」

永久脱毛したらいいのに。

てかそら、まだ鼻伸びてるよ。