嵐の前の静けさ ページ8
「ニコラス・フラメル？」
思わずAは聞き返した。
「何か知ってるのかい？」
期待の眼差しに頭の中で迷い考えながらも、Aはキッパリと被りを振る。
ハーマイオニーでも知らないんだ、仕方無いよ。そう落胆するハリーにAは嘘を吐いてしまったことを悔いるが口を噤む。
「ハグリッドがそのあと何も言ってくれなくて……僕とロンは、クリスマス休暇にはここに残る予定だからニコラス・フラメルについて調べようと思うんだ」
「そうなの……私にも何か力になれることがあるかしら？」
ハリーたち三人組が踏み込むとなればAは傍観出来なかった。
だとしても、危険だと止めるのはスネイプの個人授業を受けるAを返って疑ってくるかもしれず、止めるのではなくハリーたちに協力しつつ近くで彼らを見守ろうとAはハリーを見つめ返す。
「ニコラス・フラメルについて調べてくれないか？ ハーマイオニーが言ってたんだ、君の家はホグワーツを超える大書庫があるって有名だって……」
「やってみるわ」
優美に微笑むAにハリーは助かるよ！と目を輝かせた。
・
──『行っちゃダメだ！』
と、必死になって止めてくるハリーを振り切りAはこの扉を数回ノックして、低い声が返ってきてから開けた。
「教授、今日はさぞ大変だったことでしょう。ローブが燃えたと聞きましたよ」
「…………………嫌味かヴィトグレーデ」
いいえ、と肩を竦めてAは丸椅子をアクシオしてスネイプの向かいに座る。
ハリーは足を引き摺っていることも疑う理由だと言っていた。確かにそれは事実だ。けれど、一方でクィレルの存在もあり、陰湿で陰険なスネイプがそんな目立った方法でハリーを殺そうとするだろうかと考えてしまう。
やはりここ数週間、他の生徒より二時間ほど多く、個別にスネイプの授業を受けていたAにとって、やはりスネイプを今回の件について完全に疑うのは難しかった。
「……教授。足はまだ治りませんか」
その言葉にスネイプは弾かれたように顔を上げる。黒い瞳は驚きで見開かれていた。
「隠しているつもりですけれど足、引き摺ってますよね？」
「………………お前には関係がないことだ」
冷静に返し実験道具の片付けに戻ろうとするスネイプにAは負けじと返す。
「三頭犬ですか」
また顔を上げるスネイプはAの顔を見つめてからため息を吐いて言い放つ。
「面倒事に首を突っ込むな。傷付くのはお前になる」
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
