爽やかな夏空とホグワーツ特急 ページ42
にっこりと顔を上げて笑う二人の姿にジーンと胸が温かくなった気がした。この二人の待つところが自分の居場所なんだとAは同じく微笑み返した。
「A！ さあ、隣に座って！」
言われた通り隣に座るとダフネは話し出す。
「ノットくんと百味ビーンズを交互に食べてたの！ 今までで三回ノットくんがゲテモノ味に当たってるわ！ 聞いて、それに比べて私は一回も当たってないの！」
凄いでしょ、と目を輝かせるダフネにセオドールは苦い顔をした。
「………今さっき、土味に当たったんだ。その前は鼻くそ味」
「ノットくんったら一人で目くそ鼻くそコンプリートしたわ。流石よ！！」
「嬉しくない……」
そうして喋ったり笑ったりしている内に、霧を抜け車窓の田園の緑が濃くなり小綺麗な街並みへと変化していく。
そしてバーティー・ボッツの百味ビーンズを食べ終える頃になると、ホグワーツ特急はマグルの大都会を抜け、キングズクロス駅の9と3/4番線ホームに到着した。
そこに待っていたのは懐かしい父──イーサが待っていた。
「やぁお帰り、A！」
イーサにAは微笑んで駆け寄り、その腕に収まった。ダフネとセオドールはその後をゆっくりと続く。
「ただいま戻りました──あっ、手紙でお話した、友達のダフネとセオドールですわ！」
「どうも初めましてAの父のイーサ・ヴィトグレーデです。うちの娘と仲良くしてくれてありがとう。迷惑をかけなかったかい？」
被りを振りつつセオドールは愛想良く挨拶をしている横で話しかけられたダフネはイーサを見たまま真っ赤になって固まった。
だってダフネの中で今までに見たこともないくらい、美しい男の人だったからだ。Aといいヴィトグレーデの素晴らしい遺伝子を感じてダフネは興奮した。
魔性の女とAは言われるがその父イーサも違わず魔性の男だった。
道行く魔女たちがイーサを見て赤くなっている。隠しきれないオーラにおぉ、と思いつつ、ハッとしたようにダフネは慌てて口を開く。
「あ、え、ええと……迷惑をかけられるどころかAに助けられてます……！」
「安心したよ。今後とも、娘をどうぞよろしくね」
こくこくとセオドールとダフネは頷く。それにイーサは満足そうに帽子を被り直し、一礼した。
「それでは私たちはこれで失礼するよ」
「いい夏休みを！ ダフネ、セオドール！」
手を繋ぐと、親子はゆっくりと歩き出した。
to be continued……
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
