爽やかな夏空とホグワーツ特急 ページ40
そして夏休みが近づく頃、あっという間にクローゼットは空になり、トランクはぎゅうぎゅう詰めになった。
しばらくの間、ホグワーツともお別れだ。
ハグリッドが湖を渡る船に生徒たちを乗せホグワーツ特急に向かって歩く。
ドラコはひいひい言いつつ汽車へ荷物を運ぶグラッブとゴイルをぼんやりと眺めていると後ろから声をかけられた。慌てて振り返るとくすくす笑うAの顔が至近距離にあった。
「相変わらずね。自分の荷物は自分で運びなさいよ」
「僕がこんなことをすべきだと？」
「彼らが可哀想よ」
その言葉にグラッブとゴイルは顔を赤くしたがドラコが睨むとすぐ作業に戻る。魔性の女め、と微笑むAを見た。白銀の髪を三つ編みに結い上げ、ローブに制服ではなくワンピースを身に纏っている。
美しい、と心を奪われてしまうが、次の瞬間、ドラコは顔を顰めた。
こうして話している間もAはすれ違う、顔を赤くした男子生徒たちに声をかけられハグしたり握手したり挙句の果てに投げキッスまで送られていた。
こうやってすぐ男を惑わせる。僕がこんな女に目を奪われるなんて不名誉だ。思い通りにさせてなるものか！
はしたない、いやらしいとドラコはふつふつ湧き上がる嫌悪と苛立ちをあからさまに顔に浮かべているとAは気付いたように目を向けてきた。
「おい、いつもの馬鹿みたいな女友達は？」
「そうやってすぐ突っかかる言い方するけど──本当は羨ましいんでしょ？」
「僕が？ 君らなんかを？ 羨ましくなんて思ってないね！」
「──嘘よ、」
あなたは私と仲良くしたいんでしょ。
Aの瞳にカッと真っ赤になったドラコが鏡のように映り込む。
「先日から思っていたが……僕に惚れたか？」
「さぁ……でも、あなたのことは好きになったわ。前は大っ嫌いだったけど」
「はぁ！？」
「あらそんなに驚く？ あなたって見ていて面白いもの不思議なことじゃないわ」
「………………き、君は僕を怒らせたいのか？ それ絶対馬鹿にしてるだろ！」
いいえ、とAは被りを振りつつ、くすくすと笑う。
「君と友達なんかになりたくない！ ポッターやグレンジャーと親しくしマグル生まれを庇う君は──ウィーズリーと同じ血を裏切る者だ！」
「……純血主義でないかなんて置いておいて最初はハリーや私と友達になろうとしていたでしょ。本当は私たちと仲良くしたくて堪らないくせに強がるのはやめなさいよ」
ドラコは言葉を詰まらせた。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
