賢者の石は誰のもの？ ページ34
冷たい湿った空気を切って落ちていくと、奇妙な鈍い音をたてて、Aは何やら柔らかい物の上に着地した。
「
足には蔦のようなものが絡みついてきていた。それが『悪魔の罠』だと気付いたときにはAは「インセンディオ！」と燃やし尽くしていた。
「ほぅ、流石はスリザリンの才女だことだ。見事、第二関門突破かね」
スネイプはさぞガッカリとした表情で言った。私に死んで欲しいのかしら、とAは片眉を上げる。
「次に進むぞ」
そのまま通路を進むと、今度は輝く空間が広がっている。天井は高くアーチ形で、宝石のようにキラキラとした無数の小鳥が、部屋いっぱいに飛び回っていた。
「鍵を取らねばならん。これはどうかね、ヴィトグレーデ」
「あら、私の手にかかればこんなの序の口ですわ」
スネイプは興味深そうにAの後ろ姿を見る。
「
呪文を唱えると、それまでピクシー妖精のようにブンブンジャラジャラと忙しなく飛び回っていた羽根つき鍵が、無重力空間へ放り出されたようにパッと動きを止めた。
「多分、これですね」
青い羽の曲がった銀色の鍵を見つけてスネイプに差し出す。
「……このやり方では出題者が泣くな」
「そんなの知ったこっちゃありません。ここは試験会場では無いので出題者の意図に従う必要は無いと考えます──どれだけ早く辿り着けるか、でしょう？」
「……然様。なぜ君がスリザリンなのか長らく疑問で帽子の間違いを疑ったが君は正しくスリザリンだな」
褒めているのか貶されているのか、微妙な顔をしてしまう。
そして次の部屋に入ると、また真っ暗で何も見えなかったが進むと光が部屋中に溢れ、巨大なチェス盤が待ち構えていた──そして、見れば赤毛の少年がそこにいた。
「ロン！」
傷だらけのロンが壁にもたれかかって意識を失っていた。慌てて駆け寄って揺さぶるがロンは起きてくれない。
「自分を犠牲にしたか……」
「……は、ハーマイオニーは」
と、次の扉に続く通路から件の彼女が暗い面持ちで姿を現した。
「ど、どうしてスネイプが？！ 捕まったのね？！」
杖を握る彼女を慌ててAは止めた。
「ち、違うわ。助けてもらってたのよ！ 教授は犯人では無いわ、犯人はクィレルよ！」
ハーマイオニーは唖然としてAの隣を恐る恐る見た。
「グレンジャー、君の愉快な発想はその硬い頭のどこから湧いてくるのかね？ え？」
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
