賢者の石は誰のもの？ ページ33
Aはハリーたちに言われた通り、もしものためにダンブルドアに手紙を飛ばしに来た──のではなく、スネイプの研究室に立っていた。
「………来たのかね。試験が終わったというのに熱心なことですな、ヴィトグレーデ」
「そう言ってて教授も私を待ってるじゃないですか」
スネイプは何も言わなかった。にっこりと微笑んで歩み寄る。
「今日は魔法薬ではなく別のお勉強をしませんか？」
「……何を」
「賢者の石の課外授業なんて、どうでしょう？ ……クィレルが動きました。ハリーたちはあなたが盗むと思って止めに行っているんです、来てください」
彼の目の色が変わった。
「我輩のもとへやってきたことは褒めて遣わすが、このことには関わるなと言ったはずだ。速やかに寮に戻れ」
「いいえ、教授。私も行きます」
「…………なんだと？」
Aは静かにその目を見返した。スネイプはぐっ、と唇を結ぶと仕方が無さそうにため息を吐いて額に手をやった。
「条件がある──我輩から離れるな。どれだけ図々しい奴でも、曲がりなりにも我輩の生徒、危険な目に遭わすことは出来ない。故に足手纏いになり、うっかり我輩が杖を向けてしまうことは無いようにして頂きたいものだな」
図々しいだとか曲がりなりにもだとか、何様だと半目になるAはスネイプの不機嫌な顔を見上げ笑った。
迷う必要など無く、答えはもちろん、イエス一択である。
───
────
そうして二人は四階廊下に辿り着くと、その扉は開いていた。
「全く嘆かわしい……小僧と小娘が賢者の石を奪おうとする魔法使いに勝てると思ったのか──ポッターやグレンジャーはやはり目立ちたがり屋だったというわけだ」
「……あの、教授。誰も聞いてないところで皮肉はいいですから、早く先に行ってください」
扉の中を指差す。スネイプはその言葉に心底不愉快げに眉を吊り上げたもののAの顔を見るとまたしょうが無いというようにため息を吐きつつ中に入っていく。
中には、唸り声をあげて眠っている三頭犬がいた。スネイプは忌々しげに見ながら杖から音楽を流す。そういえば彼は三頭犬に噛まれて負傷したんだとAはどうでもよいことを思い出した。
犬の横には遥か下まで続く落とし穴のような通路が隠された扉があった。
「ほら、行け」
「ぇ、こういうのは教授が先に行っ」
乙女の背中を蹴るなんて最低だ。流石、陰険スリザリン！とAは落ちていきながら思わず叫んでしまった。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
