学年末進級試験 ページ31
最後の試験は魔法史だった。苦手教科であるためAはより一層の対策を練っていたが試験問題は案外簡単であった。僅かなミスが命取りになってしまうと気合を入れるよう、Aは羽根ペンを握り締めた。
「悪人エメリック」と「極悪人エグバート」の対決の論述とニワトコの杖の詳細を完璧に書き上げられた。息を吐いて羽根ペンを置き再度落ち着いて確認していく。
ビンスの「羽ペンを置いて答案羊皮紙を巻きなさい」という試験終了の言葉と共に、ダフネを初めとした皆が一斉に歓声をあげた。
「ぃやったーっ！ やっっっと終わったわ！ ねぇ、思ったよりずーっと簡単だったわね！」
ダフネとはしゃいでいると、机に突っ伏したパンジーから地の底から這い上がってきた怪物のように、低い声が聞こえた。
「優等生サマはお気楽でいいわね……！」
隣に座ってきたミリセントが慰めるように、パンジーの肩を慰めるように叩いた。
「もう終わったんだから切り替えていきましょ」
「嫌よ……！ まだ終わってないわ……！」
「終わったわ、諦めてパンジー。もうすぐに夕食の時間だから元気出しましょ、これからは自由じゃない！」
「……ご飯の前にお願いだから、ミリセントはまず落第の心配をして」
ちなみにミリセントは基本的に落第スレスレなので、テストが始まる前から既に色々と諦めている様子だったが、今も今日の夕飯は何かしら、と呑気に笑っている。彼女曰く「無理なもんは無理、少しの勉強でどうにかなるなら困ってない」らしい。
「ねぇセオドールはどうだった？」
「うーん普通かな」
爽やかな笑顔で答える。セオドールの優しい黒い瞳にAは微笑みつつ話に耳を傾けた。
「ノットくんは心配する必要無いものね」
「やだなぁ照れるよ、グリーングラス」
「殴りたくなってきたわ……」
ぐぬぬとダフネは悔しげに歯を食いしばる。聞こえてきた楽しげな笑い声に目を向ければザビニがレイブンクローの女子に話しかけているのが見えた。どうやら試験は難無く終えたらしい。要領が良く何でも卒無く熟せる彼は試験ごときで困ることなど無いのだろう。
「クラッブとゴイルは……うん、聞くことないわね」
だって名前が書けたかだけでも怪しいもの、とダフネは彼らと目が合って慌てて口を噤んだ。ドラコといえば心配げに窓の外を見つめていた。
曰く既に父親から「出来て当然」と小言を言われる未来を心配し放心状態らしい。その背中は頼りなく、哀れに見えた。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
