白き令嬢の物思い ページ28
ホグワーツがてんやわんやになっていた翌朝。グリフィンドールは大騒ぎだった。
ハリー、ロン、ハーマイオニーが夜に抜け出し、一人五十点ずつ、グリフィンドールは合計百五十点引かれたことで一気に最下位に転落したのである。
有名なハリー・ポッターが、クィディッチの最年少シーカーと誉れ高い人気者のハリーが、一夜にしてグリフィンドールの嫌われ者になりホグワーツ一馬鹿な生徒と言われるようにまでなってしまっていた。
「慎重に行動してって、言ったのに……一体、何があったの？」
聞けば彼らは、賢者の石についてハグリッドに聞こうと、夜中に透明マントを被って出掛けたと言う。話していたらドラコがマクゴナガルを連れて現れたらしい。そのドラコ・マルフォイも道連れとなりハリーたちと罰則を受けに行くとロンは嬉しそうに笑うのをハーマイオニーは小突く。
「ポッター！ ありがとよ！」
こうして話しているときもハリーの肩を叩いて通り過ぎていくスリザリン生の姿にAは眉を寄せる。なんて嫌味な奴らなの。
それまでは散々ハリーを持て囃してたのに、こんな風に手のひらを返すなんて最低だ。
しかも減らされた点数はクィディッチでハリー、授業中でハーマイオニーが稼いでいたものだ。ずっと彼らは寮に貢献していたのに、こんな理不尽があっていいのかとAは苛立ちを隠せない。
「あの得点はハリーたちのものよ。ハリーたちはずっと努力してたでしょう？ そのことをわかってない外野が言うことに耳を貸さないで、こんな風にあなたたちが晒し者になる必要は無いんだから」
Aはヒソヒソと囁き合う生徒たちを睨みつけながら言う。蛇に睨まれた蛙のように途端に静かになる彼らを軽蔑するように一瞥し、ハリーの深緑の瞳に向き直る。
「とりあえず引かれてしまったんだから仕方無いわ、罰則、気を付けてね」
「ありがとう……A。君だけさ、まともに僕らの話を聞いてくれるのは」
ロンの言葉にハーマイオニーは涙目でAに抱き着く。震えるその背中をAはあやすように撫でた。
・
いつものように図書館での勉強を終わらせ、廊下を一人歩いていると小さな背中を見つけた。
周りにはあの取り巻きたちもいない──なぜかホッと安堵する自分がいたことにAは一ミリも気付かずその背中を追いかける。
「ねぇ、」
「──ぅわッ？！！」
ビクーッと肩を跳ねるように上げたドラコの姿にAは思わず笑ってしまった。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
