白き令嬢の物思い ページ27
曰くホグワーツで今セオドール・ノットのなりきりが流行しているらしい。
「──あぁもう、バッカみたい！」
行き交う、柔らかな茶髪に長身痩躯、うさぎ顔の特徴──まさにセオドールと同じような容姿をした男子生徒たちを睨みながらダフネが吐き捨てた。
あの試合以来、ぎこちない雰囲気のセオドールとAを見て二人は付き合った──との噂と共にAのタイプ、そうセオドールのようになれば彼女の目に留まると憶測が瞬く間に広がったようでこの有様だ。
「ノットくんになろうとしたって所詮、なれないわ！ Aに好かれたくて勝手にバカやったくせに失敗したからってAに文句を言いに来るのはお門違いもいいところよ！」
と、言うのもハッフルパフのザカリアス・スミスに茶髪にしようとしたが見事失敗し自慢のブロンドが焦げてアフロのようになってしまったとAはなぜか責められ、うさぎ顔にしようとしたレイブンクローのアンソニー・ゴールドスタインの前歯が伸びすぎてしまったから責任を取れと、多くの女子生徒にまで泣きつかれたためである。
そうやって医務室には失敗した男子生徒が押しかけているらしい。
「一体どこの誰よ！ Aとノットくんが恋人になったってことだけでなくこんなことを言い出したのは！」
ダフネの言葉に頷いていると肩にズッシリと重さを感じた。
──「全くよ、罪な女だよな。一体どのくらい男を誑し込んだら気が済むんだ？」
「………ザビニ、不愉快よ」
「そういうお高いとこも好きだぜ、君は全てが完璧だ。でもな……男を見る目だけは無いらしい。ノットなんてやめとけ、あんな弱っちい男は君に似合わない」
俺にしろよ、とAの耳元に唇を寄せて囁いたザビニにダフネは杖を突きつけた。
「Aにあなたごときが近付かないで！ 私の大切なAの周りを虫みたいに飛び回って鬱陶しいのよ──それとも何？ あなた、殺されたいわけ？！」
「そんな嫉妬するなよ、ダフ」
ダフネは「シレンシオ！」と怒鳴る。
「あなたのその汚い口で私の名前を呼ぶことは許可していないわ！！」
流石、グリーングラスの令嬢と言ったところだった。殺気が半端なものでは無い。ザビニは大慌てで変身術の教室の方へと逃げていった。
なんてみっともないの、と低い声で呟いたダフネは別人のようでいかにも大嫌いだと書かれた表情にAは少し笑ってしまう。ダフネにここまで嫌われるなんてザビニにある意味、才能を感じたのである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
