君の声が一番の応援 ページ24
「この試合、ポッターはどのくらい箒に乗っていられるかな？ 僕は半分も乗ってられないと思うね──誰か、賭けるかい？」
誰もドラコの言葉を聞いていなかった。ジョージが、ブラッジャーを審判の方に打ったという理由で、スネイプがハッフルパフにペナルティー・シュートを与えたところだった。
Aは歯ぎしりをしてしまう。公正な審判を心がけろと言ったのに！ 杖を思わず持ちそうになるAをセオドールとダフネは押さえ込んだ。
ハーマイオニーは指を十字架の形に組んで祈りながら、目を凝らしてハリーを見つめ続ける。ハリーはスニッチを探して空の高くを旋回していた。
「グリフィンドールの選手がどういう風に選ばれたか僕は知ってるよ。気の毒な人間が選ばれてるんだ。ポッターは両親がいないし、ウィーズリー家は経済力がないし……ロングボトム、君もチームに入るべきだ。なんたって肝心の脳みそがないからね！」
聞こえよがしに言ったドラコの言葉に初めてAが言い返した。
「あら、それならあなたもグリフィンドールの選手に入れてもらえるんじゃない？ 可哀想になるくらい意地が悪いもの、人を貶めることしかしない」
顔を赤くするドラコにロンがひゅーっと軽快な口笛を上げる。
「マ、マルフォイ！ ぼ、僕、君が十人束になってもかなわないぐらい価値があるんだ！」
ネビルがオドオドと言った。ドラコも取り巻きもその勇気ある言葉を大笑いする。
ロンも試合から目を離す余裕がなかったようだが「そうだ、ネビル、もっと言ってやれ！」と口を出した。
「あぁロングボトム、もし脳みそが金で出来るなら、君はウィーズリーより貧乏に違いない。つまり生半可な貧乏じゃないってことだな」
「マルフォイ。悪いけどそう言うあなたはネビルの半分の価値も無いわ、家の権威を振りかざすあなたは家以外に何も──誇れるものを持ってないじゃないの」
その言葉にドラコは色を失う。
「ハリーが！」
ハリーが突然、急降下を始める。スニッチを見つけたんだ、とグリフィンドールから大歓声を上がった。Aはハーマイオニーと共に立ち上がって、声援を送る。
「運がいいな。ポッターはきっと地面にお金が落ちているのを見つけたに違いない！」
「なんだって──？」
ロンはついにキレて、ドラコに馬乗りになった。
止めようとするAをダフネが「放っておきましょう」と腕を引っ張ってくる。セオドールはドラコたちを冷めた目で一瞥した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
