誰も知らない、秘密のこと ページ21
Aはマルフォイの名前に眉を吊り上げて声のする方へ急いだ。
「ネビル、どうしたの」
涙目でネビルがこちらを見上げて「A……」と助けを求めるように呼んでくる。Aは足縛りの呪文をかけられて転びそうになっているネビルを支え、杖を持つドラコを睨んだ。
「何してるのよ、あなた」
「怒らないで。魔法の上達には練習が欠かせないでしょ？ いじめてはいないわ──そう、ただロングボトムが勝手に騒いでるだけよ、だからこいつをあなたが庇う必要なんてないの」
パンジーはAの表情を伺いつつ言い訳を並べた。彼女はAの白い手を同調を求めるように握るがAは不愉快極まりないとばかりに振り払う。
傷付いたようなパンジーの顔に目も向けずネビルにかけられた呪文を杖を一振して解く。
セドリックはドラコに「こんなことしたらだめだよ」と困った顔で注意するがドラコはまるで聞いていなかった。
──「お偉いポッターの次はハッフルパフの王子様か？」
「一体、何のこと？」
Aは怪訝そうに目を細める。
「取っかえ引っ変えして、さぞ楽しいだろうな」
「……セドリックに嫉妬しても無駄よ。あなたはセドリック未満だし、あなたが貶すセドリックのことを私は会って数秒で好きになったもの」
その言葉に火をつけられたようにセドリックは顔を真っ赤にさせる。言葉にならない怒りに顔を赤くしはくはくと口を開閉させるドラコに目もくれずAはネビルに向き直る。
「念の為、医務室に行った方がいいわね。歩けるかしら？」
「あ、ありがとう……」
「君の荷物を取ってくるよ」
Aはその背中に礼を告げつつ、ネビルを支えながら図書館の入口へ歩き出した。
・
Aとセドリックはネビルを医務室まで送り届け、廊下を歩く。
Aはふと思い出したように隣を見上げるとばっちり目が合ってセドリックは慌てて目を逸らす。何もしても言ってもいないのに彼は真っ赤だった。
「そういえばセドリック、どうして私の荷物が取ってこれたの？」
「……君はいつもあの席に座っているから、そうだと思って」
その言葉にAは瞬く。
「と、いうことは……私のこと知っていたのね？」
「君のことは図書館で見かけるよりずっと前から知ってたよ。でも声がかけられなかったんだ」
「あらどうして？」
「……それは──君が可愛いから、だよ」
セドリックにAは目を見開き、くすっと笑う。セドリックもそれに照れたように笑った。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
