魔法学校の冬 ページ3
あることがきっかけで顔を合わせるだけで顔を背け合っていた関係は少しだけ変化していたことはまだ誰も気付いていなった。
“エピスキー”の呪文はいがみ合っていた二人をAの捻挫と共に少しだけ修復した。
「──おや必死にお勉強か？ ヴィトグレーデ」
振り向かなくてもわかった。つい先日までAがその声を聞くのも嫌がった人物のものだと。
Aはドラコ・マルフォイの嫌味に慣れた。
と、言うより気品ある見た目とは考えつかない程、喧嘩っ早いAが我慢出来るようになったのは、対スネイプの方法と同じである。
コイツは呼吸する度に嫌味を言わないと死ぬ病気と心で唱えるというのが大分効いた。
その甲斐もあって眉を若干顰めてしまうものの、この程度には余裕で受け流すことが出来るようになった。
「そう言うあなたもでしょ。試験はずーっと先だけど準備は早い程いいわ」
また羽根ペンを持ち直すAの一つに纏めた白銀の髪から見え隠れする首筋を見つめる。
「………髪は結ばない方がいいと思う」
「あらどうして？」
「ほんの防寒対策だ。活用出来るものは活用した方がいいだろう」
そうね、と文字列を追いかけながら興味無さげに答える彼女の向かい側にまわってドラコはおずおずと着席した。
「……クィディッチは、スリザリンではなくグリフィンドールを応援すると聞いた。ポッターのためだと、も……」
魔法薬学の教科書を開きながら、ドラコは口を開く。
Aは頷きながら羊皮紙の上に羽根ペンを滑らせ、止まった。
「……そうだけど、それが何？」
雪空の瞳に曇天の瞳は不安げに揺れいだ。その瞬間、偉そうな彼が小さく思えて不思議でならなかった。
「……僕も、いつか……絶対に、クィディッチチームに入るから、そのときは、応援して、欲しい……」
途切れ途切れに紡がれた言葉を理解するのに少し時間がかかった。
瞬きを繰り返すAから逃げるようにドラコは視線を落とす。
「………望みはすぐ叶うと思うわ。あなた、箒を乗りこなしてたもの」
素直に応援するとは言えないAにドラコは少ししてからまたいつものようにふ、と口角を上げた。
当たり前だ、と嘯くドラコを前にAはくすと微笑む。
「すぐ調子に乗るのはいかがなものかしら」
「僕の才能に嫉妬するなよ」
「はいはい。あなたって……本当に自意識過剰なのね」
軽口を叩き合う二人の間には殺伐さは嘘のように柔らかい雰囲気だけが漂っていた。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
