誰も知らない、秘密のこと ページ20
「……話はわかったわ。私はスネイプ教授を監視すればいいのね？」
「手伝ってくれるのかい？」
「ここまで話を聞いて手伝わないはないでしょ。それにあなたたちだけにするのも心配なの」
やっぱりAだわ、とハーマイオニーは目を輝かせて抱きついてくる。ハリーとロンは頼もしそうに見上げてきた。三人には申し訳ないがAが監視するべきなのはクィレルである。しかしそのことは決して告げなかった。
「よろしく」
「えぇ。慎重に行動してね、それじゃあまた」
・
翌日の放課後、Aは図書館に篭っていた。何しろ進級試験も目と鼻の先に迫っている。
しかもニコラス・フラメルの賢者の石がホグワーツで三頭犬によって守られているならクィレルの監視も行わなくてはならない。そのクィレルは教師の立場を活かして図書館で閲覧禁止の本を読み漁っていた。越権行為とはこのことである。
その後ろで勉強していたAは羊皮紙に走らせる羽根ペンを持つ手を止めた。
席を外すことを悩んだが本を食いるように読むクィレルの方を見て、少しくらい大丈夫だろうと本棚の方へ立ち上がる。
参考書はこの辺りにあったはずだ、と下から上に探していると目当ての書籍が見つけた。が、Aの身長ではどうも届きそうにない。
「仕方無いわね……」
Aはため息を吐きつつ、雪柳の真っ白な杖を持った。杖先に集中させて目当ての本を取り出そうと杖を振る。カタカタと揺れつつも無事棚を出、宙に浮いた本にほっと胸を撫で下ろした。
気を許してしまったと気付くときには本は落下してきていた。
「平気？」
瞼を押し上げると忠実と真実の象徴──黄色のネクタイをした男子生徒がAの本を持って柔らかく微笑んでいた。
「あ、ありがとうございます」
「いいんだよ。困った時はお互い様だからね」
僕、セドリック・ディゴリーと彼は手を差し伸べてくる。聞いたことがある名前だった。きっとハンサムで有名なのだろうと彼の整った顔立ちを見て判断するとAも手を重ねる。
「A……、A・ヴィトグレーデです。どうぞよろしくお願いします、ディゴリー先輩」
「アー、僕のことはセドリックでいいよ。敬語とかあんまり堅苦しいのは好きじゃないんだ」
「じゃあ……私のことも呼び捨てにして、セドリック」
顔を赤くして頷くセドリックにAはにっこりと満足げに笑った。そのとき、前の方から叫び声が聞こえた。
「や、やめてよっ、マルフォイ！」
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
