素敵なクリスマス ページ17
ほら挨拶に行くぞ。そうAの腕を絡みとって歩き出すドラコに、慌てて、ごくん、とミンスパイを呑み込んだ。
「これはこれは……珍しい組み合わせですな。“あの”ヴィトグレーデがドラコのエスコートを受けているとは」
意地悪く曲がるスネイプの口にAはこいつは嫌味を言わないと死ぬ病気と心の中で繰り返していた。
スネイプの笑みにドラコは満足げに同じ笑みを返して、隣のAを見る。
「“あの”とは聞き捨てなりませんね。私だってエスコートを受けるれっきとしたレディーですよ、教授」
「ほぅ、そうだったかね。だがレディー、君が甘味を好むことは存じ上げているがいいか、羽目を外すんじゃないぞ」
嫌味ったらしい言葉にふんとAは顔を背けた。
と、いうかなぜ自分が甘い物が好きとスネイプまで知れているのだろうとスーツを着ていても蝙蝠のような後ろ姿に首を傾げた。
・
「こんばんは、Ms.ヴィトグレーデ」
ドラコがジュースを取ってくると席を外した途端、Aは数え切れないほど名家の子息に詰め寄られていた。
「マルシベール家の」
「僕はエイブル……」
代わる代わる押しのけあいながら挨拶し我こそがと身を乗り出す子息たちに目を回しそうになったとき、抱き寄せられた。
「大丈夫か」
「………マルフォイ」
「こちらは僕のパートナーだ。手出しすることは許さない、失せろ」
ドラコの鋭い言葉に散り散りになっていく。子息たちの青い顔にAは瞬きする。……そういえば純血の名家の中でもマルフォイ家は権力と財力がある、上に立つ名門の家だった、と思い出す。
ふんと周りを牽制しているドラコの不機嫌な顔を見上げながら受け取ったジュースを受け取りつつ口を含む。
令嬢たちの視線はドラコに釘付けだった。
頬を赤く染めて恋をしている目だ。なぜか甘いはずのジュースはとても苦く感じた。
そうして二人で壁の花となり休んでいると優雅なワルツが流れ始めた。それが合図かのようにルシウスがグラスを持ち上げながら高々と宣言した。
「皆様、我が家のクリスマスパーティーにご参加くださりありがとうございます！ さてダンスの時間となりました、鬱々とした日々を忘れ今だけ楽しく踊りましょう！」
Aが目を瞬いているうちにドラコによって広間のど真ん中へ連れ出された。自分たちを微笑ましそうに見てくる淑女紳士、嫉妬の表情の子息子女に後退ろうとするAの腰を逃がすまいとドラコはがっしりとホールドした。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
