素敵なクリスマス ページ15
色々、という言葉に眉を吊り上げそうになったがこの雰囲気を見るあたり、Aが数々行ったことは知らないらしいとイーサたちの満足げな反応を見ながらほっと胸を撫で下ろす。
「それにしても本当にとっても可愛らしいですわ、」
Aを見てナルシッサは感嘆めいた言葉を漏らした。その言葉にルシウスもイーサも大きく頷く。
ヴィトグレーデに相応しい、そんな上品な純白のドレスに身を包んだAは容姿も相まって本当に天界から舞い降りた天使のようだった。
「このパーティーが娘の社交デビューだから張り切って仕立てたんだ、見てくれ。回ってご覧」
ナルシッサもルシウスも回ってご覧なさいと促してくる。少し気恥ずかしさを感じながら裾の部分をそっとつまんで、くるっと一回転してみると、ドレスはまるで薔薇のようにふわりと広がり優雅に揺れる。
「なんと……」
イーサは目を奪われるマルフォイ夫妻に鼻高そうに微笑む。
首元はあまり開いておらず肌をあまり見せないプリンセスラインのドレスにはヴィトグレーデを象徴する薔薇の刺繍が繊細に施されており、上品さを感じさせる一方で、ふんわりと愛らしく膨らんだバルーンの袖や胸元のリボン、背中の編み上げなどは少女らしいあどけなさを引き立てていた。
こうして話している間もAに多くの招待客の視線が向いていた。名家の子女ながら気品溢れる姿にナルシッサもルシウスも好感を覚えたようで優しい眼差しを向けてくる。
「夫人もお美しいですわ。そのドレス、とてもお似合いですよ」
あら嬉しいわと微笑むナルシッサにAは微笑み返す。
ドラコは恐ろしいほどルシウス似だが、ルシウスに比べ少し顔が柔和なところや所作の美しさは、ナルシッサ譲りだろうかと考えていると声がした。
「あ、あの……彼女が着いたと聞きました！」
ドラコの姿にイーサの娘の美貌を見てデロデロに緩んでいた甘い顔はスっと厳しくなる。見定めているようだと父親の姿にAはため息を吐きそうになる。
彼は膝丈のズボンをサスペンダーで留め、首元で深緑のサテン調の蝶ネクタイを結んでいた。
「こんばんは。本日はお招きありがとう」
Aは大人たちの前だからと優しい笑顔を保って挨拶した。
美しい微笑みにドラコは顔を真っ赤にしつつ、イーサに慌てて向き直った。
「は、初めまして、ヴィトグレーデ卿。僕はドラコ・マルフォイです、お嬢さんと親しくさせて頂いています」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
