素敵なクリスマス ページ14
「まるで雪の精霊じゃないか、この世のどんなものもAの美貌に勝てないな」
ドレスの裾を持ち上げて転ばないように階段を慎重に下りていると、玄関に純白のスーツを着たイーサが感嘆の声を上げて待っていた。
「お父様も素敵ですよ」
「おや嬉しいことを言うね、お手をどうぞ。お姫様」
そっと笑ってAは差し出された手を取る。
「良かった、フラれなかった」
心底安心したように息を吐いてすぐに悪戯っぽく笑うイーサに肩を竦める。
それこそ父をフる女性なんてこの世にいないだろうとAは上機嫌な横顔を見て思う。
女性はイーサに虜だった。魔法界の最強家門、“純なる白き王”ヴィトグレーデの当主でハンサムで、穏やかな気性をしている、子連れだとしてもかなりの優良物件だ。
Aは家を飛び出して遠方にいる快活で天然な母親を思い出した。この頭のよく切れる色男の心をどうやって奪ったのだろうと。
純血主義でない自由奔放な母と頑な純血主義で腹黒い父がどうやって恋に落ちたのか考えもつかなかった。
愛する人は選べないと母は言ったがAには理解が出来なかった。
しかし、後にこの言葉が痛いほど自分に当てはまることになるとはAも夢にも思っていなかった。
Aとイーサを乗せた馬車は動き出した、パーティーの会場へ。
・
「──ヴィトグレーデ家のお着き！」
従者が宣言すると、皆が振り返った。品定めの視線にAは臆することなく負けじと背筋を伸ばした。
「やあ、Mr.ヴィトグレーデに、Ms.ヴィトグレーデ。やっと来てくれましたね、お会い出来て光栄だ」
「どうもマルフォイ卿、こちらこそお招きありがとう。毎年招待状を送ってくれていたのに断り続けて申し訳なかったが、今年は参加出来て良かった」
握手を交わすイーサは当主の顔をしていた。Aの大嫌いな当主イーサ・ヴィトグレーデにAは目を逸らす。
「こちらがご自慢のお嬢さんですか？」
「あぁ、美しいだろう？ さぁA、挨拶なさい」
多くの期待の眼差しにAは眉根を寄せそうになったが笑顔を保ち、カーテシーを行った。
「お初にお目にかかります、マルフォイ卿。この度はお招き頂き感謝申し上げます、イーサ・ヴィトグレーデの娘、A・ヴィトグレーデと申します。ご子息にはホグワーツでお世話になっております」
「やぁ、Ms.A。妻のナルシッサだ」
「初めまして、Aさん。息子から色々なお話を伺っていますよ」
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
