魔法学校の冬 ページ1
「っくしゅん！」
Aはげんなりとする。寒風に身震いしつつ、冬めいた木枯らしの景色を睨みつけた。
「大丈夫？ 最近、くしゃみしてばかりだわ」
ダフネはAの背中を摩りつつ、心配げに言う。
「風邪なんかに負けてられないわ」
「クィディッチの試合も近いしね」
Aの心を読んだように続いたセオドールの言葉に頷く。
早々と、十一月になりクィディッチの初シーズン到来だ。もうすぐ初めの試合____それもグリフィンドール対スリザリンということで学校中が沸き立っている。
ダフネやハーマイオニー、セオドールといった友達というものにも恵まれ、もちろん課題や勉強にも困ることも無く、唯一の脅威とすれば、風邪菌、というような安定した生活を謳歌するAの一方、最年少シーカーと期待がかかるハリーはバタバタと忙しそうだった。
クィディッチの練習に嫌がらせに多く課された魔法薬学の課題に終われ、先日会ったハリーはとてもやつれた顔をしていて少し心配になった程だ。
「やっぱりハリーが心配だわ。ハーマイオニーがいるから課題は大丈夫だと思うけれど……何か手伝いたいわ」
「ポッターよりも僕らは君が心配だよ、顔色が悪い」
怒ったように言うセオドールに私はダフネを見て訊く。
「えーと……そんなに私、顔色が悪いの？」
「そうね。いつも通り、お顔はとっても可愛いけれど」
と、話していると手前から箒を持ったクィディッチチームの選手を率いたマーカス・フリントが歩いてきた。
「ヴィトグレーデじゃないか」
「こんにちはMr.フリント。今から練習なの？」
Aの微笑みに大きな顔を崩して少しぎこちなく頷き笑うフリントをセオドールは睨みつける。
「血を裏切……忌々しいクソウィーズリーの双子からグリフィンドールを応援するって聞いたんだが、やっぱり違うよな？」
願いを込めて訊くフリントにあっけらかんとAは答えた。
「いいえ、その話は本当よ。友人があちらにいるものだから」
Aは有無言わさぬ綺麗な笑顔で「では練習頑張って」とフリントの横を通り過ぎ淑やかに進んでいく。
セオドールとダフネは石のように固まって呆然とするフリントたちを見て笑いそうになるが、彼らが正気を取り戻す前に慌ててAの後を追う。
Aはよくも悪くも正直だった。
・
「ヴィトグレーデ、早く移動しろ。授業時間を消費していることがいかがなものか考えないのかね？」
スネイプの口角が意地悪く上がった。
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つき(プロフ) - くらげさん» 楽しんでもらえてとっても嬉しいです！！優勝杯のシーン、共感して貰えて何よりです……スリザリン強火オタクの叫びを受け止めてくれてありがとうございます！！ 性格がキツめな夢主ちゃんのことを好きだとは……感謝です！ ドラコとの絡み、私も楽しみです〜 (10月15日 13時) (
レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - くらげさん» コメントありがとうございますっ！書籍化希望だなんて嬉しいです〜これからも楽しんで読んでもられるように頑張って続き書いて行きますね〜！ (10月15日 13時) (レス) id: cbccae9c94 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 真剣に書籍化希望です笑 素敵な作品をありがとうございます。これから続き、読みに行って参ります！ (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 随所笑えるシーンがあって、とても楽しかったです。優勝杯のシーン、かわいそうだな…と思っていたので納得です！主人公ちゃんがとても好きで、ドラコとの絡みがますます楽しみです。 (10月15日 5時) (レス) id: 354ea7a522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月24日 11時
